5.0
ビターだけどマイルドな
初期の短編なんかだとビターな読後感があったのですが、「ラッキー」以降はあたたかさや優しさを感じる作風に変化してきました。
この作品にも「痛み」とかビターな要素がたくさんありますが、読んだ後は何とも爽やかな気持ちになれました。
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3266位 ?
初期の短編なんかだとビターな読後感があったのですが、「ラッキー」以降はあたたかさや優しさを感じる作風に変化してきました。
この作品にも「痛み」とかビターな要素がたくさんありますが、読んだ後は何とも爽やかな気持ちになれました。
異形のキャラクターに徹底的に追い詰められる恐怖もあるんですけど、あまりに理不尽に事件に巻き込まれていく怖さ、そして悲劇的な最後すら「噂」として消費されていく怖さや、忘れ去られてしまうこと……等、後からじわじわとくる恐怖もあります。
この時代はストーカーって言葉もなかったし、都市伝説という言葉もそれほど一般的ではなかったです。この種のジャンルのサスペンスホラーとしては古典的な部類でしょうね。
小学生当時、初めてこんな怖い漫画を読んだ!というほどにショックで、その日のうちに発熱しました。(実はたまたまインフルにかかっただけなんですけどね。笑)
ようはそんだけトラウマになっちゃうほどの怖さで、半年近く学校の帰りが怖くて仕方なかった。
成人後に読み返すと、さすがにそこまで怖いとは感じませんでした。
都市伝説系ホラーとしては、望月峯太郎さんの「座敷女」にも通じる部分があります。
精神疾患患者や精神障がい者の現状を知るのに、とてもよい作品だと思います。
見ていて辛くなるシーンや、これはちょっと……と思う場面もあります。
大切なのは「制度」が、あまりにも実態に合っていないことではないでしょうか。
制度や福祉行政、医療などについて考えるきっかけになるとよいです。
身近に似たような人がいるエピソードもあり、思わず投稿者さんの居住地確認してしまいました。
他県の人だったので、「わたしの知ってるあの人」ではなかったようですが。笑
そういう身近にいるちょっと困った人の話がたくさん載っています。
妊婦さんのお話に関しては、初出時と2022年現在では状況変わってるといいなって思います。社会が優しい方向にむかっているといいなぁ。
「いるよねぇ、こういう人」。
多少は誇張もあるのでしょうけど、身近にいるちょっと困った感じの人がメインのお話でした。
一番リアルなのは最後のスーパーのお話ですね。よくぞやってくれた!とスッキリします。
作中にも出てきましたが、「がんばってきれいにしてる」程度の中高年女性は今日日それほど珍しくなく、本当に美魔女みたいな人はごくまれですよね。
最後のお話は主人公ちょっと悪すぎる。
まさしくお総菜のように、味のあるいいお話ですね。「ガレージママ」みたいに、アイデア料理がたくさん出てくるかと思いきや、食べ物にまつわる人々の生活とエピソードが中心です。
全般的にどうしようもない人が多いんですけど、しかも立ち直れない人が多いのが気になります。
唯一ほっと出来るお話は「ハイスペ夫の妻」でしたね。本当の幸せが何か気づくことが出来てよかったねってお話です。
学歴でも容姿でもそうなんですが、下手にスペック高いけど人間性がついていかない人って、うまくいかないんですよね。
ある意味ではすごく可哀想な人たちでもあるけど、自分ときちんと向き合うことさえ出来れば、いい人生になるのに……。
そんな人たちのお話でした。
「ウソのつけない女」は短所って長所の裏返しにもなり得るし、個人の資質っていいところも悪いところも、どう向き合っていくかが一番大切なんだと思うお話でした。
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淀川ベルトコンベア・ガール