5.0
作者さんの技量が素晴らしい
「荒唐無稽な話ほど、リアリティが必要」って思わせられる作品でした。
一歩間違うと「ただのメチャクチャ展開」になってしまうストーリーですが、細部がものすごくリアルですし、登場人物の感情描写も丁寧です。
驚くような展開にも合理性を持たせていて、物語として全く破綻していない。
理屈抜きに楽しませてくれる作品って、作者さんの技量なんですよね。
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3259位 ?
「荒唐無稽な話ほど、リアリティが必要」って思わせられる作品でした。
一歩間違うと「ただのメチャクチャ展開」になってしまうストーリーですが、細部がものすごくリアルですし、登場人物の感情描写も丁寧です。
驚くような展開にも合理性を持たせていて、物語として全く破綻していない。
理屈抜きに楽しませてくれる作品って、作者さんの技量なんですよね。
長い間つき合ったカップルが、色々あって別れるというストーリーは、江國香織さんの「落下する夕方」に似ているかもしれません。
江國さんの小説はドラマチックな展開でしたけど、こちらの作品は誰にも思い当たる節があるような、身近な印象の話でした。
そのぶん、リアリティがあって読んでいて胸が痛くなった人も少なくないと思います。
わたし自身も個人的に男性側にも女性側にも共感する部分ありましたし、ちょっと似たような経験したことあります。
どちらが悪かったとか、間違っていたとかでもないし、うまくいけば結婚できていたかもしれないとか、早めに別れておけばよかったとかでもなくて、この2人はこうなる運命だったのかな?って思っています。
ただの失礼をオープンマインドと勘違いしてたり、悪口を毒舌と言ったり、女性よりは男性に多いタイプだと思います。
自分を客観視出来ない人も男性にはとても多いですし。
「ああ、いるなぁこういう人」って思う場面はありましたけど、基本的に思い浮かぶのは男性でした。
個人的には主人公の網浜奈美がどうしてこういう性格になっちゃったのかな?っていう背景が気になります。
学生時代に女子グループに入りたかったけど、入れなかった反動とか、不美人だが巨乳(太っているがゆえの)なので男子には下心で仲よくしてもらったのを勘違いしちゃったとか。
そこらへんをきちんと描けていたら、物語に味わいが加わると思うのですが。
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かんかん橋をわたって