江口拓也:テレビアニメ「SPY×FAMILY」インタビュー 「ロイド過去編」への思い 第1話につながる物語
配信日:2025/10/12 9:01

集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「SPY×FAMILY」。テレビ東京系ほかで放送中のSeason(シーズン)3では、「ロイド過去編」として、フォージャー家の父であるロイド・フォージャーとして任務を遂行する凄腕スパイ<黄昏>の過去が描かれることも話題になっている。ロイド、<黄昏>を演じる声優の江口拓也さんに「ロイド過去編」への思いを聞いた。
◇作り上げてきた空気を大切に
「SPY×FAMILY」は、2019年3月に「少年ジャンプ+」で連載をスタート。凄腕スパイが、任務のために仮初めの家族を作り、新生活を始める……というストーリー。スパイの父、超能力者の娘、殺し屋の母が互いに正体を隠して生活することになる。
2022年放送のSeason 1、2023年放送のSeason 2、同年12月公開の「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」を経て、江口さんは「家族の雰囲気も出来上がってきていて、いろいろなことを一緒に乗り越えた上でのSeason 3で、家族感が強くなったんじゃないか」と感じているという。Season 3は、約2年ぶりとなるテレビシリーズではあるが、「Season 1、2と作ってきた空気を大切に、気負いなく収録に臨みました」と語る。
「最初の頃は、<黄昏>としてのモノローグとロイドのセリフと、テンポ感がよく変 わるので難しさは感じていましたが、Season 2を通して切り替え方を掴めたので、今まで作ってきたものをそのままぶつけていこうと思って演じています」
演じる中でSeason 1から変わらず大事にしているのは、「ロイドにとってはフォージャーとの日常も任務だということを忘れないこと」だと語る。
「だからこそ、アーニャなど周囲の言動を通して、モノローグの中で完璧な人間が崩れていく様が面白いんじゃないかなと思います。そのギャップがロイドの魅力なんじゃないかと。根本的にシリアスな物語で動いていますけれども、その中の日常の些細な喜びとか、翻弄されていく様がいいんじゃないかなと思います」
◇少年はなぜ<黄昏>になったのか 弱さ、涙も
「ロイド過去編」は、原作でも話題になったエピソード。江口さん自身、原作を読んだ際は「スパイになる前というところなので、子供時代を経て、なぜスパイになったかが描かれる一番大事なポイント」だと感じたという。
「Season 1の第1話でアーニャと出会って、『子ども(じぶん)が泣かない世界 それを作りたくてオレはスパイになったんだ』と語っていますが、過去がここにつながってくる」
過去の姿を演じる中で、何を感じたのだろうか。
「スパイとして訓練された後のロイドは完璧な感じですが、やはりその前は感情的になる部分や弱い部分、涙を見せる部分もある。多分、過去編のあのシーンが、彼が最後に泣いたところなんだろうなと。その後、スパイになってからはギャグ以外では、涙は見ないなと。そうした人間的な喜怒哀楽は、普段より多めに出たのではないかなと思います」
江口さんは、「ロイド過去編」が放送されることで、「ロイド自体は変わらないんですけど、見ている方々からするとロイドの印象が変わるかもしれないです」と語る。アニメではどのように過去が表現されるのか、注目したい。
提供元:MANTANWEB