花江夏樹:「鬼滅の刃」 炭治郎をつかんだ瞬間 「無限城編」に懸ける思い
配信日:2025/07/17 7:01

吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作劇場版アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」の「第一章 猗窩座再来」が7月18日に公開される。「無限城編」では、竈門炭治郎ら鬼殺隊と、鬼舞辻無惨ら鬼たちとの最終決戦が描かれる。2019年4月に放送を開始した「竈門炭治郎 立志編」から主人公・竈門炭治郎を演じ続ける声優の花江夏樹さんに、炭治郎という役をつかんだ瞬間や、「無限城編」に懸ける思いを聞いた。
◇始まりの「竈門炭治郎 立志編」を振り返る
「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊へ入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの累計発行部数は1億5000万部以上。テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」が2019年4~9月に放送され、2020年10月公開の劇場版「無限列車編」は、国内来場者数が2897万人を突破し、国内歴代興行収入1位となる約404億円を記録した。「遊郭編」が2021年12月~2022年2月、「刀鍛冶の里編」が2023年4~6月、「柱稽古編」が2024年5~6月に放送された。「無限城編」は三部作。
「竈門炭治郎 立志編」から約6年間、竈門炭治郎を演じ続けている花江さん。数々の激闘を経て成長してきた炭治郎だが、花江さん自身が炭治郎という役をつかんだ瞬間はいつだったのだろうか。
「僕は『竈門炭治郎 立志編』の第二話で割とつかんだ感じはありましたね。第一話はまだ手探りな感じもあって、炭治郎の年齢も若い状態だったので、どのくらいのトーンがいいのか、これから成長していくにあたってどうしようかなと考えながらやっていました。デフォルメしたお芝居がいいのか、もっとナチュラルなほうがいいのかという探りはありました」
第一話は、過酷なシーンも多く「迷いがあった」という。その後の第二話では、炭治郎が禰豆子の入る籠を作るために、村人に籠と藁(わら)、竹を売ってほしいと頼むシーンがコミカルに描かれた。
「炭治郎がお金をバシーン!と渡すシーンがあったんですけど、そういったギャグシーンは『思い切りやっちゃってください』と言われて、演技の方向性が第二話以降で徐々に固まってきた。『なるほど、こうしたほうがいいのかな』と感じたのは第二話ですね。第四話で手鬼と戦うところは、初めて炭治郎が鬼とバトルする、成長を見せるシーンで、初めて水の呼吸を披露するというところで、今見返すと全然テンション感や言い方が違うなと思うのですが、初々しさがあってそれはそれでいいなと」
花江さんは、「竈門炭治郎 立志編」の累と戦うシーンや、「無限列車編」など「炭治郎にとって大切なものを思い返したりとか、何か失ってしまったりする場面は、自分の中ではずっと演じているので気持ち的に『ここで』という感じではないのですが、炭治郎としては変わっていくタイミング。そういった印象的なシーンは多いです」と振り返る。
◇炭治郎の覚悟
「竈門炭治郎 立志編」第七話で初めて宿敵・無惨と対面した炭治郎は、時を経て「柱稽古編」のクライマックスで無惨と再会し、「必ず倒す!! 鬼舞辻無惨!!」と勇ましく声を上げ、無限城へ向かっていった。花江さんは、「炭治郎はいつ戦ってもいいという覚悟ができていたのではないか」と語る。
「いつ決戦が始まってもおかしくない状態だったと思うし、炭治郎も無惨を倒すためにずっと修業して、鬼殺隊として戦ってきた。一度浅草で遭遇しているので、見た瞬間に無惨だと分かって、すごい血圧が上がったんじゃないかなと思いました。きっといつ戦ってもいいという覚悟だったと思いますし、炭治郎的には自分で倒したい気持ちもあるし、自分が倒せなくても、ほかのみんなが必ず倒してくれるという思いでずっと戦っている。だからこそのあの覚悟の決まり方なんじゃないかなと思いました」
「無限城編」の収録に向けては、「いよいよか」という思いと共にうれしさも大きかったといい、「『無限城編』は原作でもすごく盛り上がるところで、本当に見どころだらけなので、自分としては『早くアニメで見たいな』とずっと思っていました」と語る。
「第一章 猗窩座再来」の公開に向け、「ここまでたどり着いたことは本当に感慨深いですね。目の前のことを一つずつこなしていき、それが積み重なっていって、シリーズが続くことで、ここまで来ることができた」と語る花江さん。決戦の幕開けをスクリーンで堪能したい。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。 ※鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記となる。
提供元:MANTANWEB