日出処の天子:山岸凉子の名作が能 狂言化 野村萬斎、“ぶっ飛んでいる”原作に「飛躍するところがまさに能や狂言の真骨頂」
配信日:2025/04/09 16:12

山岸凉子さんの名作マンガ「日出処の天子」の能 狂言「-能 狂言- 『日出処の天子』」の製作発表記者会見が4月9日、東京都内で実施され、山岸さん、野村萬斎さんらが登場した。演出を担当し、厩戸王子を演じる萬斎さんは、原作について「ぶっ飛んでますね」と魅力を表現。「ぶっ飛ぶというか、飛躍するところがまさに能や狂言の真骨頂なのではないかと」と話し、「『日出処の天子』が能 狂言によって心を得たというのはおこがましいですが、そう山岸先生に仰っていただけたらいいなと思っております」と意気込みを語った。
「-能 狂言- 『日出処の天子』」は、萬斎さんが演出・出演し、人間国宝の大槻文藏さんが監修・出演する。萬斎さんが厩戸王子、福王和幸さんが蘇我毛人、大槻裕一さんが刀自古郎女をそれぞれ演じる。観世能楽堂 GINZA SIX(東京都中央区)で8月7~10日に上演される。チケットは、ローソンチケットで4月9日午後6時にプレリクエスト先行(抽選)販売がスタートする。
萬斎さんは、能 狂言化において大切にしたポイントを聞かれ、「創作、作品の心というものをどれだけ出すことが大事かと。そのために手法が付いてくる。我々は型から入りますが、実際それが逆転することもある。そういう意味で果敢に挑戦できる機会があるのはありがたいなと思っています」と語った。原作は、「能にするにはかなりの情報量で、それぞれのキャラクターで能ができてしまうほど」と話し、「それを一つの作品にするために、どう象徴化するか。全てを理詰めでやるのではなくて、ある種、象徴性を含めたシーンによって、何かが繋がったり、飛び越えられる。それがこの作品のスケールの大きさだと思いますので、それを能 狂言で表現できるのではないかと」と構想を語った。
「日出処の天子」は、マンガ誌「LaLa」(白泉社)で1980~84年に連載されたマンガ。厩戸王子(聖徳太子)と蘇我毛人(蘇我蝦夷)の激動の物語が描かれた。1983年に「第7回講談社漫画賞」少女部門を受賞。1994年に白泉社文庫の創刊作品として刊行された。
提供元:MANTANWEB