山岸凉子:「日出処の天子」は「大事なもの」 愛することの尊さは「誰はばかることなく描くべき」

配信日:2025/04/09 15:36

「-能 狂言- 『日出処の天子』」の製作発表記者会見に登場した山岸凉子さん
「-能 狂言- 『日出処の天子』」の製作発表記者会見に登場した山岸凉子さん

 山岸凉子さんの名作マンガ「日出処の天子」の能 狂言「-能 狂言- 『日出処の天子』」の製作発表記者会見が4月9日、東京都内で実施された。山岸さんが登場し、作品への思い、連載当時について語った。

 「日出処の天子」は、マンガ誌「LaLa」(白泉社)で1980~84年に連載されたマンガ。厩戸王子(聖徳太子)と蘇我毛人(蘇我蝦夷)の激動の物語が描かれた。1983年に「第7回講談社漫画賞」少女部門を受賞。1994年に白泉社文庫の創刊作品として刊行された。

 山岸さんは「1980年代の聖徳太子と言えば、1万円札の聖徳太子だったんです。それを少女マンガ誌で連載するのはいかがなものかと。皆さん、お分かりでしょうが、結構問題を含んでいる内容だったものですから、編集部とも相当もめました。でも、今振り返ると、私も熱があった頃だったので、頑張って描き上げてよかったなと思っています。このように、40数年たっても舞台化のお話を持ってきていただけるのですから『日出処の天子』は、私の作品の中では大事なものだったんだなと思っております」と語った。

 山岸さんが言う“問題”については「同性愛が入っていることなのですが、当時は同性愛という言葉を使うこともはばかられる、ジェンダーや性同一性障害という言葉も出ていなかった頃ですから。でも、たとえ相手が同性であろうと異性であろうと、愛するということの尊さは、誰はばかることなく描くべきと思いましたので」と振り返った。

 連載当時、執筆で苦労したことを聞かれると、山岸さんは「眠れなかったことです」と明かした。「ネーム、ストーリーを作ることは苦痛ではなくて、楽しみでした。ネームができると8割方できていて、残りの2割が絵を描く物理的作業なのですが、その時にほとんど眠れなかった。それだけが苦労でした」と語った。

 「-能 狂言- 『日出処の天子』」は、野村萬斎さんが演出・出演し、人間国宝の大槻文藏さんが監修・出演する。萬斎さんが厩戸王子、福王和幸さんが蘇我毛人、大槻裕一さんが刀自古郎女をそれぞれ演じる。観世能楽堂 GINZA SIX(東京都中央区)で8月7~10日に上演される。チケットは、ローソンチケットで4月9日午後6時にプレリクエスト先行(抽選)販売がスタートする。

提供元:MANTANWEB

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