黒執事:小野大輔×岡田堅二朗監督×伊藤泰斗プロデューサーインタビュー(1) そこまでする! すごすぎる映像のこだわり

配信日:2025/04/05 7:01

「黒執事 -緑の魔女編-」の一場面(C)Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler
「黒執事 -緑の魔女編-」の一場面(C)Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

 枢やなさんのマンガが原作のアニメ「黒執事」シリーズ「黒執事 -寄宿学校編-」の続編「黒執事 -緑の魔女編-」が4月5日から放送される。「黒執事」は2006年9月から月刊「Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)で連載中のマンガ。英国の名門貴族ファントムハイヴ家主人のシエル・ファントムハイヴに仕える完全無欠の執事セバスチャン・ミカエリスの活躍を描いている。2024年4~6月に放送された「寄宿学校編」は、2014年放送の「黒執事 Book of Circus」以来、約10年ぶりのテレビアニメの新シリーズとなったことも話題になった。「寄宿学校編」はこれまでとはまた違うアプローチで制作されたという。セバスチャン・ミカエリス役の声優の小野大輔さん、「寄宿学校編」「緑の魔女編」を手掛ける岡田堅二朗監督、アニメを制作するCloverWorksの伊藤泰斗プロデューサーに、制作の裏側を聞いた。

 ◇原作の情報をそぎ落とさずに そのまま動かせないか?

 ーー「寄宿学校編」は約10年ぶりのテレビシリーズとなりました。

 小野さん テレビシリーズで「黒執事」をまた演じることができることが純粋にうれしかったです。「寄宿学校編」は「黒執事」の中でも明るく、これまでとは雰囲気が違うところもあります。シエルの等身大の少年としての感情の機微、熱い部分が描かれ、笑いもあり、P4といった美少年も出てくる。バラエティーに富んだシリーズだと思います。一方で「緑の魔女編」は「黒執事」の王道とも言えるダークファンタジーなんですよね。重くもあり、 「黒執事」の核心に迫る部分の導入でもあります。

 岡田監督 「寄宿学校編」は少し特殊で、「緑の魔女編」の方がこれまでの「黒執事」に近いかもしれません。シエルは学校に行っていないので、「寄宿学校編」で本来あるはずだったものを取り戻しているみたいなところもあったのかもしれないですね。

 小野さん そういう意味では大事ですよね。全く毛色が違うんだけど、そこを同じ制作陣で作っていくというのもすごくいいですよね。

 伊藤さん 僕は「黒執事」の第1シーズンに制作として参加していました。シリーズとしては同じなのですが、令和の時代に改めて「黒執事」をアニメで描くということで、監督とも何度もお話をさせていただきました。ダークファンタジーが根底にあれど、「寄宿学校編」と「緑の魔女編」は映像として真逆の要素を抱えているため、全く別のアプローチが必要で、ここが一番頭を悩ませました。

 岡田監督 元々、伊藤さんとは昔から付き合いがありましたが、初めて本格的にタッグを組みました。お話をいただいて、僕も結構悩んだところがありました。まず作品力が強く、世界観もすごい。改めて原作を読むと、作り込まれたストーリーに共感し、純粋に作品のポテンシャルを感じました。たくさんのファンに愛されている理由がすごく分かったんです。今回、新しい座組で作ることで原作をより再現できないかと、これまでと違ったアプローチを考えていました。マンガをアニメ化する際、原作の描写をそぎ落としてアニメの方法論に落とし込むことが多く、そうしないと映像として動かせないんです。ただ、本作はどうにか原作のまま動かせないかと考えました。

 伊藤さん 背景の密度もそうですが、お皿などの食器、小物に関しても3Dにすることで、キャラクターと合わせて画面情報量の密度を上げていく絵作りがしたいというお話をされましたよね。本来であればアニメは動かすために線量を減らす作業が必要ですし、「黒執事」のような細部まで詳細に書き込まれているものは比較的そういう手法を用いるのですが。

 岡田監督 そうですね。特にアニメで3Dにするのは車など大きなものが多い。本当にやるんですか?という空気が現場に漂いまして……。というのも、手描きと3Dを組み合わせる際、問題が発生しやすいんです。ワークフローが違うので、動きが合わなかったりする。小物は手に持って口に近付けたりするので難しい。いろいろな試行錯誤がありましたね。

 伊藤さん 本当は映像作りをする際にはいろいろなことに優先順位をつけていくのですが、それをせずに全部やろうという話になりました。

 岡田監督 キャラクターが身にまとっている衣装のディテールやティーカップなど小物の情報量はすごいと思います。例えば、原作で省略されているような細かい装飾や小物などは、19世紀の英国が舞台ということで、実際にイギリスにロケハンに行かせてもらい、そこで見たものを映像に落とし込もうとしました。原作の時代考証をしている村上リコさんにも参加していただき、資料をもらい、靴の裏側がどうなっているのか、帽子の裏にある刺繍は何か、といったことを細かく問い合わせしました。

 伊藤さん 細かい模様は貼り込みという、模様だけの素材を作成して最後、撮影作業の時に合成していく方法があるのですが、これがものすごい物量なんです。

 岡田監督 「寄宿学校編」では、P4という寄宿学校の寮の監督生がいますが、4人は特殊な服装なんですよね。マンガでは、いろいろな柄のスクリーントーンで表現されていますが、省略するのではなく、ディテールを落とさずに表現しようと、撮影で貼り込んでもらっています。キャラクターの動きに合わせないといけないので、すごく大変なんです。 申し訳ないですが、お願いできませんか……と。

 伊藤さん 千鳥格子柄やP4のインナーの柄など、いろいろありますね。アニメで動かす場合は、無地にしたり省略させてもらえないかと原作側に相談することが多いです。

 岡田監督 原作側からも「そこまでしないでいいですよ」とおっしゃってくださったのですが。

 小野さん すごいですね!

 伊藤さん レベルが高く、意欲のあるスタッフが集まらないとできないことです。

 岡田監督 背景や小物、食器、お菓子などにも注目していただけるとうれしいですよね。

 ◇小野大輔への全面的な信頼

 ーー収録時に感じたこだわりは?

 小野さん スタッフの方々の原作への愛と細部のこだわりを随所に感じていました。お芝居は、信頼して基本的に任せていただいていました。勝手に監督たちからのリスペクトを感じていました。

 岡田監督 メインキャストの方々はこれまでの積み重ねもありますしね。最初に「セバスチャンはもう少し感情を出してもいいですよ」というお話はしました。それ以外はもう全面的に信頼してお任せしています。

 小野さん 「寄宿学校編」の第1話を見た時、原作をそのまま再現したいというこだわりをすごく感じました。監督に最初にあいさつさせていただいた時からその実感がありましたが、完成した映像を見て、より強く心に響きました。アニメーションは総合芸術で、全てのセクションがそれぞれ最高の仕事をして、それが合わさった時に完成します。自分たちのセクションでも最高のものにしようと改めて心に刻みました。

 インタビュー(2)に続く。

提供元:MANTANWEB

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