最強のマインドセット?!大人必読 読むとセルフイメージが高まる漫画3選
更新日:2019/03/06 10:00
みなさんは、「仕事」にどんなイメージを持っていますか?仕事とは、つらく、苦しいもの。そして、できれば逃れたいもの。そんな風に思う人も少なくないのでは。
とくに最近の潮流は、ブラック企業など労働環境の問題を目にする機会も多く、それが転じて、社会全体が仕事のつらさや苦しみをうまくいなすことを「社会人(オトナ)の賢さ」と定義し始めているように感じます。
一方、仕事で認められることや自分の思う成果を得られたときに、他に代えがたい達成感を得られることも事実ではないでしょうか。
こんな時代だからこそ、働くことへのモチベーションを高めたい。他からは得られない喜びを、仕事を通じて感じたい。
そんな思いで、読むと心が鼓舞される漫画を3選セレクトしました。勇気が湧いて、自分も頑張ろう!とセルフイメージが高まること間違いなし!
①読むと仕事がしたくなる!たくましく働く大人たちを描いた漫画
「働きマン」(安野モヨコ/講談社)
週刊『JIDAI』編集部の女性編集者・松方弘子(まつかた ひろこ)を中心に、出版業界で働く人の生き様をリアルに描いた漫画です。
松方は28歳、独身(ちなみに元巨乳)。「30歳までに編集長になる」という熱い野望を持ち、寝食を忘れて仕事に没頭します。
「仕事をしていて最高に気持ちいい瞬間」――これを味わうために日々奔走する松方。その思いの先には、とにかくいい雑誌を作りたい。そして、日本を、世界を動かしたい。そんな熱い思いがあります。
松方はまっすぐです。だから、よく腹を立てます。彼女が「まっすぐでない」と感じる人に。イマドキっぽいヤル気のない(松方にはそう見える)後輩。“女”を武器に、飄々と仕事をこなす女編集者。松方を目の敵にしている張り込み班の先輩。
しかし、松方とは違うけれど、彼らは彼らなりの仕事観と使命感を持って仕事に接しています。
ある時、仕事に壁を感じて行き詰った松方は、「自分だけが頑張っている気になっていた」と気づきます。
それぞれの人が、それぞれの持ち場で、その人にしかできないことを、積み重ねている――。
そこに気づいた松方は、また一つ成長するのでした。
この作品を読むと、自分の責務を全うする仕事人たちに美しさを感じます。そして、「仕事に打ち込みたい」という前向きなパワーがもらえます。仕事を通じて自分のやるべきことは何なのか考えたい、そんな気持ちにさせてくれる作品です。
- 青年漫画 働きマン
- 4.2 (600件)
②成長とは、過去と向き合い、乗り越えること
「ちいさいひと 青葉児童相談所物語」(夾竹桃ジン・水野光博・小宮純一/小学館)
主人公・相川健太(あいかわ けんた)は、新人の児童福祉司として、児童相談所で働いています。実は健太自身も虐待のサバイバー(被害を乗り越えて生き残った人)で、子どものころに母親から激しい虐待を受け、児童福祉司に保護されたという過去を持っていました。
虐待される子どもを一人でも多く救いたい。そんな熱い思いで念願の児童福祉司となった健太。しかしわずか配属2日目にして、厳しい現実と向き合うこととなりました。
1歳6か月の女の子の検診に来ていない母親。心配になり連絡を取っても面会を拒否される。調べてみると、その子のお姉ちゃんも行方不明だということがわかった。姉妹は今どこにいるのか。母親の元にいるのか、無事でいるのか――。
漫画にはノンフィクションの虐待事件をモチーフにしたもののあり、思わず目をそむけたくなる描写も少なくありません。作中、健太自身も、被害児童と被虐待児であった過去の自分とを重ね、虐待の経験を思い出し、ときには過呼吸になってしまうこともあります。
しかし、健太は仕事から逃げません。傷ついている子どもを救いたい。その思いに沿って、児童福祉司としての責務に奔走します。なぜなら、それが、健太自身の過去を救うことでもあるからです。
虐待は、被虐待児を保護し、加害者(親)を責めるだけでは解決しないという難しさを持っています。さまざまな家族と向き合う中で、健太は、虐待をなくすためには子どもを救うと同時に、してしまう親を救うことも必要なのだと思い至るようになります。
しかし、親を救う、とはどういうことなのか――?考え、悩み、物語の最後には、自分を虐待していた母と対面することを希望します。
「あったらなにを話すべきなのか、許せるかわからないけれど……もう一歩、前にすすめないから」
そう言って、彼は、自分を虐待していた母を初めて「母さん」と呼びます。
私たちにも仕事で壁にぶつかったときに、ふと、心の中に過去の自分が顔を出すことはありませんか。健太ほど重たい体験ではなくとも、誰にも、仕事を通じて自分の嫌な部分や、つらい体験、コンプレックスに対面した経験はあるのではないでしょうか。
仕事に取り組むということは、過去の自分自身と向き合うという側面も持っているのかもしれません。しかし、それを乗り越えた時には、大きな人間的成長が待っています。
増え続ける児童虐待。すべての子どもたちの幸せのため、駆け出し児童福祉司の相川健太は今日も奮闘す...
③自らの意志に沿って悔いなく生きろ
「天~天和通りの快男児」(福本伸行/highstone, Inc.)
最後に紹介する「天~天和通りの快男児」 (福本伸行/highstone, Inc.) は、麻雀で生きる男たちを描いた漫画です。多く方は、「ギャンブルで生きる登場人物に、まともに生きる我々が学ぶことなどないのでは」と思うかもしれません。
しかし、まさにその「まとも」とはなにかを問いかけてくるのが、この作品なのです。
確率を最重視した理詰めの麻雀で、素人を相手に荒稼ぎをする、井川ひろゆき(いがわ ひろゆき)。
ある時、ひろゆきは雀荘で麻雀請負を生業とする、天貴史(てん たかし)と出会います。ひろゆきは、自分にない麻雀を打つ天に惹かれ、自分も代打ち(誰かの代わりに麻雀を打つこと)の世界に足を踏み入れることに。
そして、日本の裏麻雀界の頂点を決める勝負において「神域」と呼ばれる伝説の雀士、その後ひろゆきの人生の師となる、赤木しげる(あかぎ しげる)と出会います。
物語の終盤、麻雀の世界から足を洗ったひろゆきは、普通のサラリーマンとして凡庸な毎日を過ごし、常に「自分はこれでいいのか」と自問自答していました。そんなとき、赤木しげるの「葬式」が行われるという知らせを目にします。じつはこの葬式は、赤木自身が企てたもの。赤木はアルツハイマーでかつての記憶をなくしかけており、自分が自分であるうちに、自らの死を決めたいと願いました。その死の前に、大切に思う人たちと対話をする時間を設けたのでした。
赤木はひろゆきに、自分の意志に沿って生きているかを問います。
今ひろゆきがいる世界は、本当にひろゆき自身が望んだ場所なのか? 決めた道なのか?本当は、自分ではない誰かが「そこにいるべきだ」と決めた場所なのではないか?
お前は本心では、違う人生を望んでいるのではないか――死を目前にした赤木は、容赦なく問いかけます。
「わかりもしない未来におびえるより、まず動くこと」
「不完全ながらも動くことが道を開く」
ひろゆきへのメッセージは、そのまま、私たち読者へのメッセージとして突き刺さります。私たちは、世間が決めた「まとも」というワクを意識しすぎて、本当にやりたいことを押し殺して生きてはいないでしょうか。
大切なのは、自分の意志に沿って、自分として生きることである――。悔いなく生きることの大切さは、職業がなんであれ関係ありません。赤木の言葉には、今日を悔いなくやり遂げようという力をもらえます。
- 青年漫画 天~天和通りの快男児
- 4.2 (62件)
超心理麻雀漫画「アカギ」の主人公・赤木しげるが大人になって登場!主人公、天が率いる東代表のメン...
以上、最強マインドセットを得られる3作品を紹介しました。仕事で悩み、傷ついても、それは成長過程だからこそ。試行錯誤こそが人間を大きくさせると前向きにとらえ、気持ちを鼓舞して毎日を生きましょう!
週刊『JIDAI』編集部の女性編集者・松方弘子28歳独身。 弘子は編集長や上司や同僚たちと一緒...