独占漫画家インタビュー:中間淳生「天然女性×中年男性の組み合わせが大好き!中間先生が、漫画家になった経緯とは?」
更新日:2018/12/28 10:00
44歳のバツイチおじさんがイケメン過ぎる!と話題の漫画「年の差婚」。天然系の女性と中年男性の組み合わせが大好きだという作者・中間先生ですが、実は本作を連載するまでにはさまざまな苦難の道があったようです。そんな中間先生の漫画家になるまでの経緯や、本作の見どころについてご紹介します!
- 女性漫画 年の差婚
- 3.8 (19986件)
天然女性×中年男性の組み合わせが大好き!
――めちゃコミックで先行配信中の「年の差婚」 (中間淳生) ですが、レビューでもたくさんの高評価をいただいています。ご自身の実感としてはいかがでしょうか?
正直、あまり実感はありませんでした。担当さんから「新連載、好調ですよ」と言われた時も「担当さんはいつも私のモチベーションを上げるような暖かい言葉をくださる…ありがたいなあ」なんて思っていました。漫画家歴は割と長いんですが、今まで細々とやってきたこともあり、にわかに信じ難く、素直に受け止めるほどの余裕がなくて…(笑)。でもたくさんのレビューをいただいたり、ランキングにランクインしたり、お手紙やツイッターで感想をいただく機会は格段に増えたと思います。本当にたくさんの方に読まれているのだなあ、と今は毎日しみじみ感動しています。読んでくださって本当にありがとうございます!
――『年の差婚』で、特にお気に入りのエピソードはありますか?
どのエピソードも、どのキャラクターもみんなお気に入りなんですが、特に主人公二人、村上舞衣子(むらかみまいこ)と花里晴海(はなさと はるみ)にはそれぞれ思い入れがあります。実は数年前にも同じようなお話を描きたいと思ったことがあったんですが、天然女性や中年男性が主人公のストーリーはあまり好まれないというお話を聞いて、断念したことがあったんです。でも私は天然女子が大好きで中年男性も大好き。好きなもの同士の組み合わせを描きたい!とずっと思っていて、今回その機会をいただいたので、本当に楽しく描かせていただいています。
悪役キャラが、ふと情をあらわにした瞬間グッとくる!
――『年の差婚』では、“44歳バツイチ”の花里晴海さんが優しくてカッコいいと、レビューでも人気が高いようです。中間先生は他の作品でもさまざまな魅力的な男性キャラクターを描かれていますが、ご自身のタイプが反映されているキャラはおりますでしょうか?
どの作品のどのキャラにも、自分の好みのタイプが反映されている気がします。
物語上のキャラクターとしては「それでも好きだから、いいよ」 の奏(かなた)のような、歪んだ愛情の持ち主に惹かれます。実際に身近にいたら嫌かもしれませんが、悪者にはなりきれない、人間くささが見えるとグッときます。
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自己中でわがままだったり、めっちゃクズだけど憎めないようなキャラも大好きです。そういう人が見せる意外な面が好きです。あとすごく真面目でかっこいい人のダメな面とか…やっぱりギャップですね!ギャップが魅力的なキャラを描きたいなあと常に思っていますが、実際に表現するのは難しいです。リアルでは誠実で優しい人が一番だな、と思っています(笑)。
――本作の今後の見どころについて教えてください。
新キャラが登場したので、彼女が花里夫妻にどんな影響を与えていくのか、ぜひ楽しみにしてください。とても仲良くやっている二人ですが、初めての夫婦喧嘩も起きるかもしれません。
物語の着地点はぼんやり決めていますが、自分の考えたストーリーに沿って進むのかどうかは、私にもわかりません。お見合いから始まった結婚生活で、次第に相手を好きになっていき、お互いを思いやりながら、歩み寄って二人で暮らしていく、ということを丁寧に描けたらいいなと思います。続きもどうぞ楽しみにお待ちください!
ストーリーづくりには、家族や友人の協力が不可欠
――ご自身や身近な人、周囲の人を投影していたり、共感したりするキャラクターはいますか?
どんなキャラも、私の一部分が入っている気がします。あとは、自分がなりたかった理想像とか。身近な人を投影することはあまりありませんが、友達や家族との何気ない会話が作品作りのヒントになることはよくあります。身近な人よりも、生活していてたまたま出会った人をキャラづくりの参考にさせてもらうことが多いです。先日も、夫の友人がいいキャラだったので、漫画の中でちょっと使わせてもらいました(笑)。
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――ストーリーはどんな時に思いつくことが多いですか?
私はシングルタスク派なので、散歩しながらや家事をしながらのときに思いつくことはほとんどないです。お風呂に浸かっているときも、ただひたすらボケ~っとしていたい(笑)。なので、ストーリーを作るときは、そのためだけの時間に集中して必死に考えています。それ以外の時間はできるだけインプットしようと努めています。月並みですが映画やドラマを見たり本を読んだり、少しでも興味あることはとりあえずやってみる、あとはなるべく人と会って会話するように心がけています。
――もしストーリーづくりなどに詰まってしまった場合、どんなことをして気分転換をすることが多いですか?
毎回ストーリー作りには悩みます…。詰まらずに出来たためしがない!でも先ほども言いましたが、私は同時に何かをすることが出来ないタイプで、ネーム時に気分転換をしようとすると逆にストレスになってしまうんです。だからパソコン画面を見ながらひたすら考えてるんですけど、それでも「もうだめだー!」となったら夫に泣き言を聞いてもらいます。自分がいかにダメ人間かをひたすら語り、ひとしきりしゃべったら「いや、そんなことはない!私の力はまだまだこんなもんじゃない!」と一人でノリツッコミを入れながら持ち直して、また机に黙々と向かいます。それに「めんどくせー(笑)」と言われるまでが我が家の毎月の恒例行事です。そうした泣き言や愚痴を黙って聞いて笑ってくれる家族、友人には本当に毎日感謝の気持ちでいっぱいです。漫画と向き合っているときの自分は、自分でもものすごく面倒くさいと思っています(笑)。
読み終えたときの辛さを考えると、好きな漫画が読めない!
――中間先生は、小さい頃から絵を描くのが得意だったんですか?
幼少期、周りの同い年の子に比べて何をするにも遅かったんです。勉強も運動もしゃべることも食べることも。とにかくほとんどがビリでした。そんな中、唯一、お絵描きだけは褒められた記憶があって、暇さえあればお絵描きしてるような子どもでした。
――漫画家を目指そうとした時期はいつですか?
小学生の高学年のときに少女漫画に出会って、そのキラキラした世界に魅了されました。少女漫画と出会ってからはもう漫画家になるという目標に向かってまっしぐらでした。でも、何回投稿しても最下位クラス。それでも繰り返し投稿し続け、ようやく一つ上のクラスへ。そこでもしばらく同じクラスにとどまっていて、あきらめずに投稿していたら一つ上へ…そんな牛歩状態ではありましたが、一度もあきらめるという選択肢はありませんでした。ひたすら描いて、就職してからも投稿や持ち込みを繰り返して、やっと商業誌デビューすることが出来ました。
――努力が実を結んだんですね。
でも、そこから掲載されることは年に1、2回でした。連載したこともありましたが、なかなか代表作と言えるほどのものも作れず、数年前まではバイトをしながら描いていたんです。だから、今こんなに大好きな漫画を描くことが出来て、とてもありがたいと思っています。何度も「これが最後の作品になるかも」と思いながら描いてきたんですが、そのとき本当にあきらめていたら今の作品は世に出なかった。あきらめ悪いのも一つの才能だよ!と思えるところまで来られて良かったなぁ、と思います。
――今の作風やご自身の人生などに、影響を受けた作品はありますか?
影響を受けた作品はたくさんありますが、特に受けているのはひかわきょうこ先生の作品です。どの作品も素晴らしくて、一番が選べないくらい大好きです。ひかわ先生の作品は、今でも新刊が出たら即買いしています。
でも最近は読みたくても読めないんです。こんなにワクワクする時間が終わるなんて辛い…と、読み終わったときのことを考えると読めない。まあ読み終えても、また読み返してはワクワクするんですけどね。私もそんな風に読者の方にワクワク感を持ってもらえるような漫画が描きたいです。
――他に、今純粋にハマっている漫画などはありますか?
いーっぱいあるんですけど、いち押しは「極主夫道」 (おおのこうすけ/新潮社) かなあ。出てくる人たち、動物たちがみんないいキャラしてる!あんな強面なのに、めちゃくちゃかわいい!奥さんも最高にかわいい!とにかく幸せな気持ちになれます。漫画はどんなジャンルでも読みますが、ほのぼの系コメディが一番好きかもしれません。
――交流のある漫画家さんはいますか?どんな話をするのでしょうか。
最近は同じ九州在住のMaria先生やふじや奈央先生、同世代の友人達と集まって長時間語り合ってます。家族の話や健康(重要!)、美容の相談、おススメのドラマや音楽など何でも話しますが、やっぱり漫画について語ることが多いです。いち押しの漫画紹介から創作の悩みまで、辛さも喜びも共有できることは本当にありがたいです。いつも創作へのやる気や、刺激をいただいています。
――今後、挑戦してみたいジャンルやストーリーがあれば教えてください。
私自身、田舎に生まれ育ったので、田舎が舞台でちょっと不思議な生き物が出てくる漫画を描いてみたいな、と漠然と思っています。
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天然女子とイケメン中年のほのぼの恋愛&結婚生活は、中間先生が以前より描きたいと切望していたものだったんですね。謎に包まれた新キャラも登場し、物語はどんな展開を見せるのか、二人はどうやって壁を乗り越えていくのか、今後も目が離せません!
プロフィール
中間淳生
宮崎県出身。1月14日生まれの漫画家。漫画誌『ぶ~け』にてデビュー。現在、「年の差婚」をめちゃコミックで先行配信中。
◆中間淳生 公式Twitter
https://twitter.com/atsukinakama
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