5.0
詩的な悲しささえ感じる
実写化されるということで、また読んでしまった。
やっぱり、三人とも天国だなあ…悲しい。主人公の刑事さんは天国で無限にハッピーバースデーを繰り返すのだろうな…
せめて、三人で話してるシーンが欲しかったな。
上司の方が全く出世してないので、作戦が失敗に終わったのだろうとおもった。犯人にとってミュージアムとは物理的なものではなくて、歪んだ本人ならではの「偉大な業績」なのだろう。
さらに、辛いのは、その犯人も過去に家族が猟奇的な被害に遭っており、まともに生活を送れないほどの、障害者であるということ…
ただのサイコではなく、そこも読んでいて苦しい。
なんとなく、実写では違う解釈を敢て取るように思うけど、この原作には単なる犯罪への怒りだけでなく、人生に潜む心の闇や、悪を引き起こす苦しい現実や、永遠に繰り返される無限ループの恐怖を感じた。
その悲しみに詩情さえ感じてしまうほどに…。
- 9