【ネタバレあり】[小説]初桜 ―ういざくら―～無垢な蕾は夜露に濡れる～のレビューと感想

言葉攻めが良い！

景公の甘々な言葉攻めがたまりません～私的にツボです(笑)

ストーリーも幼い頃の二人の出会いから運命の再会、その後愛を育むまで綺麗に進み楽しく読めました。

何より仕事も出来て女も取っ替え引っ替えだだった景公がピュアで可愛い透子にはまってメロメロ、つい可愛くて苛めちゃうって言うのが分かる甘々で良いです(笑)

透子も可愛くて、お目付け役の皐月も良いキャラで良いです。絵も素敵でした。

景公

この世は今、藤原一族が勢力を伸ばしていた時代のお話し…。
桜舞う宮中の庭園でその頃、6才の透子が会った綺麗で強い少年は一体誰だったのか？……
時を重ねて10年後、町外れの寂れた屋敷の前を通りがかった貴族の若者、景公。景公に野盗に襲われている所を助けてもらった透子。透子は一瞬にして心も身体も景公に奪われてしまう。。プレイボーイの景公が透子に夢中になっていくさまが良く描かれている。そして透子も、徐々に景公の色に染め上げられてしまう……。景公は、一体誰なのか…。文章がとても繊細に描かれている。読んでいると一瞬にしてこの物語の世界に吸い込まれてしまった。

言葉責め

経験豊富な平安のプレーボーイの言葉責めがツボでした。しかも頭の中将。今で言う警察庁長官という強さもたまりません。ヒロインは無垢という名の世間知らずで少々気になりましたが帝の父のご烙印なら仕方ないか。

平安という時代設定もあまり気にならないエロ満載で満足な作品でした。

和風良い！

珍しい和風ものに惹かれて購入しました。
透子の純粋で一途で少し幼いところがあるけど、身体は大人って…思わず意地悪したくなる景公の気持ちが分かります(笑)

今まで色んな女性をとっかえひっかえしていた景公が透子に惹かれて深みにはまって一途になるところも良かったです。
透子の母親のこともスッキリ解決して読後感も良かったです。

レビューに引かれて購入しましたが、何となくもったいない、というのが素直な感想です。
母親の亡くなるまでの経緯とか、藤原南家の存在とか素材はたっぷりなので、もっとシビアに面白く掘り下げて欲しかった。
主人公のキャラクターのせいか、あんまり緊張感が感じられず終わったのが残念です。
景公は責めが多すぎなのでは…と、思いました。あと、景父の権力執着主義がいい感じなので、いっそ本人もそれに追随してて、主人公親子に自分たち一族がしたことを知ってもっと苦しむくらいが良かったなぁ。
いっそはめたのは父方の叔母さんだったとか、もっと当事者感が欲しかったです。
設定などは好きだったので、星３つです。