3.0
キオクカプセルニコメラレテイタモノハ?
「ヒロインまゆは、何故記憶を失ってしまったのか」
ヒーロー奏の元カノの思惑(イラッモヤッ)とヒロインまゆに想いを寄せる男の子との葛藤(切なくほのぼの)を交えつつも、本筋はまゆが記憶喪失に陥った原因の究明で、その過程がサスペンスタッチで描かれています。相手を見失ったときこそ、ちょっと傍道に逸れたものの、基本的にはお互いがお互いを強く思い合う純愛物語。良くも悪くも昭和の昼ドラテイストかな?運命の悪戯で愛し合うようになった義兄妹、それを邪魔する兄の恋人、ヒロインを一途に思う当て馬男子、そして戻らない記憶…結局、まゆの記憶喪失の根っこには「処女性」が関わっていたから、その価値観、やっぱり昭和。(悪いことではないと思いますよ)
自分の体を大切にすることは必要です。けれども、「ハジメテ」や「処女性」に必要以上に重きを置いていた時代と今とは、大分意識が変化してきました。まゆの「キオクカプセル」は、彼女にとって「パンドラの匣」でもありましたが、同時にそれは、過剰に重い価値観に縛られたものだったようにも感じます。
まゆのキオクカプセルにも、「希望」は隠されていました。少女漫画ならこの結末でパーフェクトだと思いますが、女性漫画的にはご都合主義の印象が…。年齢や立場で、この作品に対する見方が変わってくるかもしれません。今の私なら、星3です。
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