4.0
愛しさと切なさと心強さと
初っ端から、竜一と虎太郎の二人兄弟のぼっちな、寂しげに歩く姿に、心持っていかれて、少し涙腺がゆるくなってしまった。
「きゅう」っと兄にしがみつく虎太郎...可愛いけど、まだ、こんなにも、ちっちゃい...
元々、両親が、家を空けがちだった上に、飛行機事故で亡くなる、って親の愛情は十分与えられていたのかな?幼い虎太郎は、親の記憶さえも、ほとんどないんじゃないのか?など...切ない。
竜一は健気でとても気丈、「自分が虎太郎を守る」、という気概が凄く伝わってきて、またぐっと胸に来る。竜一だってまだ子供で、友達と思いっ切り弾けたいよね?遊びたいよね?殊勝過ぎるんだよ。
この作品は、日常の、ほっこり心温まるエピソードがメインだけど、その奥にある、愛しさと切なさが詰まった想いの波が、時折見え隠れする感じがした。
竜一は、虎太郎にとって、世界一愛情深くて心強くて、唯一のかけがえのない存在だ。周りは慈愛に満ちた人たちばかりなのだから、竜一には、竜一を支えてくれる心強い存在にもっと甘えて頼ってほしい。たまにはワガママになっていいのよ。
みんなの幸せを願うばかりです。
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