みんなのレビューと感想「花園メリーゴーランド」（ネタバレ非表示）（16ページ目）

価値観クラッシャー

「夜_這い」の風習が残る、前近代的な村社会に迷いこんだ少年を主人公にした作品。

恐ろしい漫画である。
読者の価値観に揺さぶりをかける、というか、ほとんど破壊しようとするほどの勢いだ。

作中、村の生活を「おかしい」と言う主人公の少年に、一人の女性が答える。
性なんて、腹が減ったら飯を食うのと同じ、生活の一部だ、と。
この村の人たちはずっとそうやって幸せに暮らしてきた、何がいけないのか、と。
これは、少年に向けられた問いであるのと同時に、読者に突きつけられたこの漫画の毒でもある。
少年は、答えられない。
私も、答えられなかった。

一夫一妻の制度も、ロマンチックラブの観念も、不倫を悪とする価値観も、全て、私たちが後天的に知る、ある種の幻想に過ぎない。
幻想もなめたものではない。
その幻想が、私たちの存在を支えているからだ。
しかし、である。
この漫画は、読者に問いかける。
あなたはこの村の風習を「異常だ」と感じるかもしれないが、仮にこの村に生まれたならば、あなたは村の性の自由さに疑問を持ったか。
あなたを支えている幻想は、別の社会の幻想を見下したり切り捨てたりできるほど立派なのか。
性が解放されている、というだけのシンプルな世界に生きることと、ろくに知りもしない他人の不倫報道に怒り狂ってネットで叩く人間に溢れた世界と、果たしてどちらが「異常」なのか。
そんな、どこまでも根元的な問いを突きつけてくる漫画。

嗚呼、恐ろしい。
読み終えてしばらくは、何かにつけてこの漫画のことを思い出し、考え込んでしまうだろう。
この先のあなたの人生に、よくも悪くも「残って」しまう漫画だと思う。

優れた作品はいつも、答えではなく、問いを残す。

面白かった！

読み進めていくうちに、閉鎖された地域の風習って怖いな・・でもそれが普通の人もいるんだよねって。価値観って難しいなと思わされた内容です。
狭い地域での事だから病気の心配は無いってことか。
不器用な純粋さを感じ、懐かしい気分（ブルーハーツが話しが出てきたり）になりました。
最後びっくりでした。そうなってるのね～。

引きこまれます

最初は 昔懐かしい漫画…ふと読んでみようかと読み進めました。

村独自の風習で性教育していくしきたり 貞操観念の違い ひょんなキッカケでこの村に滞在する事になった少年相浦君。 常識という感覚が何かわからなくなり翻弄されながらも村の人々と関わりあいを持っていきます。
性描写の場面が多いですが ただエロいだけでなく そこには深い性の根底にものをかんじます。人間の本能というものかな⁈
相浦君が滞在している宿の娘 澄子ちゃんも村の風習で性教育を経験し 成長 性に目覚めていきます。相浦との関係は最後どうなるのか？楽しみです。
読む価値ありの作品だと思います。

ネタバレ レビューを表示する

1話目から最後まで一気に読んでしまいました。文学的な漫画です。この村の女性たちは皆幸せそう。性に対しての一般的なモラルとは一体誰が決めたのか、何が正しいのか。と深く考えさせられました。読後感大満足です。

興味は湧きます

次の話が気になります。
確かに…と納得しちゃうような、そうでないような。
不思議な気持ちにさせられますね。

面白い

フィクションなんだろうけど、ちょっと昔に本当にあったであろう土着文化が妙なリアリティを出してて面白い。展開は一部強引なところもあるが心理的な描写含め、まあ及第点といったところか。性描写は生々しいところもあり、逃走劇も重苦しいが読後は意外とさっぱり。最後はその後の展開が気になる！

やば過ぎ

この作品は凄いわ、
柏木はるこさんの作品は昔から好きだったけど、戦慄を覚えるほどの名作だと思う。
作品の中に入り込んで一気に全部見ちゃいました。

むんむん

常に湿気のある上気がむんむん。フェロモン全開で進んでゆく濡れ場が妙にリアルです。頭では不可解で非現実的な話とわかっているけど、頭のどこかでは本能的に理解できてしまうような気にさせられる。ヒトにとっての性のあり方自体を問うような問題作だと思います。

なかなか面白い

フィクションなんだろうけど、ちょっと昔に本当にあったであろう土着文化が妙なリアリティを出してて面白い。展開は一部強引なところもあるが心理的な描写含め、まあ及第点といったところか。性描写は生々しいところもあり、逃走劇も重苦しいが読後は意外とさっぱり。最後はその後の展開が気になる！

この作者さん大好きです。
独特の世界観にいつも惹き込まれます。
現実には有り得ないと思う反面、実は自分の知らない誰も近寄らないような山奥では、実際にこんなような事が起きてるんじゃないかって想像してしまいます。
面白すぎて、完結しちゃったのが寂しいくらい。
時間がある時にまた読み返したくなる作品。