祝福されないこどもたち
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あらすじ
「私たちは、幸せになってはいけない」肉と人付き合いが苦手な長女・波留子。ミーハーなネイリストの次女・奈津子。受験と彼女のことで年相応に悩む長男・亜紀斗。閑静な住宅街にあるアパートの一室、親元を離れて暮らす彼らは、端から見れば至って普通の三姉弟だった。ある夜、奈津子の左手の薬指に嵌まる指輪を見た波留子は激昂する。長女が婚約に反対する理由は、姉弟たちの“過去”が関係していた――。『わたし、今日から「おひとりさま」』のきよね駿が新たに描く、それぞれの平穏を求めて生きる家族の物語。
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みんなのレビュー
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あの作品の作者さんだった!
「おひとりさま」は全部読んで忘れた頃にまた読みたくなった漫画。そして2度も衝撃を受けたその作者さんです。
この作品も絵柄が独特なイラスト風なのにストーリーがとてもミステリアス。
個人的には特に目の表現がリアルで感情表現が豊かだと感じています。
サイコパスのような両親の元に生まれた子供たちの人生。「普通」に生きてる者からしたら想像を絶する程の生き地獄を味わっているんだと思わされます。
幸せになって欲しいなんて簡単に言えない、とても重い題材です。
しかし、子供達の行く先を見届けたく完結まで読みたいと思う作品です。by れみなみ- 193
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5.0
凄いな、、、一気見してしまった。
被害者家族の話とかはよくニュースのドキュメンタリーとかでやってたりするけど、容疑者家族の話ってあんまりないから斬新だなっと率直に思った。両親がかなりイカれているのが所々だけでなんとなく分かるのも上手く描かれている。簡単に自分の子供を『消すか。』と言えてしまうほどに。犯罪自体は長女しか手伝っていなかったと書かれているが、長女が手伝わせるのを上手いこと阻止していたようで、両親からの信頼を得ながらどうしたらこの生活を終わらせられるか懸命に考えていた、かなり賢いのだと思う。容疑者の家族だが、被害者でもある子供達。人を簡単に信用しない用心深い長女。普通の幸せを望む次女。当事者だが蚊帳の外の弟。次女の彼氏がなんらかな形で絡んでいる感が否めない。推理小説のような漫画です。続きが早く読みたい。
by tomopu- 78
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5.0
この作者の作品なら期待大。
めっちゃ重くてキツいテーマだけど、この作者さんの作品なら期待できるので更新を待つ。課金してでも読む価値ある(ワタシ的に)。
ホーム画面のトップに出てきて、タイトルと表紙絵?に惹かれてタップ。どこかで見た絵柄だなーと思ったら「おひとりさま」の人か!と、確認のつもりでついまた「おひとりさま」読了しちゃって、改めて「これ名作だよな…」と思った。この絵柄とか作風が、読者のミスリードを誘うのにめっちゃ効果的。やられた。
「おひとりさま」は、のほほんとした空気感の裏に潜むクソ重い現実が、魅力的なキャラたちによって良い意味での「大人の童話」になってて、読後感すごく良かった。
この、絶妙にチカラの抜けたシンプルな絵柄と、淡々とした空気感、ちょっとした可笑しさ滑稽さ、独特のテンポ、すべてが「ほのぼの日常系」のようでありながら、「ホラー的な不気味さ」の演出も可能、匙加減一つでどっちにもシフトできる、この作風は最強でしょ。
そんな作者の作品なのでこの漫画にも期待している。別にこれは狙ったミスリード演出もなさそうだし(私が読み取れてないだけ?) ストレートに犯罪加害者の家族(しかも死.刑囚の子供!)という、重い現実を描いたドラマだけど、最終的に救いがあって欲しい。なっちゃんの彼氏はなんか裏ありそうだけどね。この作者はクズを描いても優しい人を描いても強い人を描いても、どんなキャラ描いても上手い。
「おひとりさま」の、あっけらかんと明るくて、希望が持てて、でも一抹の哀しさとか寂しさがある、どこまでも優しい結末は本当に読後感が良かった。
「おひとりさま」のレビューみたいになっちゃったけど、あの作品の作者の描いたものならこのクソ重たいテーマの作品でも期待して読める。と言っても別に「おひとりさま」みたいな結末を希望してるわけじゃないよ。でもこの作者の「重いテーマを、軽妙にかつ淡々と、キャラ造形の良さと演出の妙で読ませる」作風に魅力を感じているので、この作品にも期待が高まります。バッドエンドじゃないといいな。どこか前向きでカラッとしていて、読んだ後どんよりしない着地点だといい。ご都合主義の予定調和でもいいのよ。この作風ならそれも不自然じゃないから。
何となくで読み始めてしまったけど、完結してから読めば良かったかな。ラストまで一気に読みたい(短気)。続きが待ち遠しい。by 閃光のリボ払い- 47
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5.0
すべてが救われるように回収されてゆく
え?ここで終わり?…なんてのを一つも残さずネタは回収されてゆく。絶望的なタイトルで悲愴感しかない登場人物たちが、努力と思いやりで後天的に祝福されるかたちで最後の数コマを迎える。見事なプロットとコマ割りで、一気に読ませるためのラスト数話の課金もここならではの良心的なものだと断言できる。何一つ読者が思い残さない読後感とプロセスは、やはり見事の一言。1クールのTVドラマにすら値する。
by それだけでしあわせ- 37
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5.0
闘う君の唄を
死_刑囚となった連続殺_人犯の両親のもとに生まれた三人の姉弟のストーリー。
まず、主人公たちの造形が素晴らしい。
両親に殺_人の片棒を担がされた過去を持ち、普通の人生を送ることを諦めている長女。
彼女が秘める静かな悲しみと強さは、可愛らしいけれどどこか悲しげに見える作画と相まって、切々と胸に迫る。
一方、長女に守られながら育った次女は、両親の呪縛から逃れ、恋人と新しい家族を築きたいと夢見る。
次女の明るさは長女と好対照だが、彼女もまた苦しみながら、自らの人生を生きようと必死でもがいている。
両親の記憶がない長男は、二人の姉との間に自分が立ち入れない領域があることに不満を抱えつつ、俺の人生どうなっちゃうのかな、的に浮遊しているような位置づけだが、この少年のリアリティーも見事だと思う。
そして、この三人が三人とも、絶対的に互いを愛している。
自分たちが背負った十字架を確定的なものとして生きる長女は、結果的に二人を縛ってしまってもいるのだが、妹も弟も、「自分の人生」を切望しながら、結局「三人の人生」を捨てずに生きることを決めている。
それが余計に切ない。
長女につきまとう記者、あまりに人が出来すぎていて逆に怪しい次女の恋人、SNSで身分を偽って長男に接触する謎の人物など、作品を不穏に盛り上げるアイテムも実によく練られていて、作品の根幹はヘビーだが、サスペンスとしても非常に楽しめるものに仕上がっている点も見逃せない。
罪という問題に関して、国と文化によっては、宗教が祈りと赦しのシステムとして機能するのだろうが、よくも悪くも、この国にそれはない。
神なき国における親の犯罪と子が背負う十字架、加害者家族を巡るメディアの報道など、社会派的な一面も作品にはあるのだが、そういう難しい問題は抜きにしても、私はただただ、三人に幸せになってほしい、と願った。
呪わしい運命を背負って懸命に生きる彼らの人生を、心の底から応援したいと思った。
中島みゆきの「ファイト!」でも歌ってやりたいと思った。
ていうか読みながら歌っていた。
闘う君の唄を闘わない奴等が笑うだろう。
冷たい水の中をふるえながらのぼってゆく三人を待つものが温かな祝福であることを、切に祈る。by roka- 33
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4.0