みんなのレビューと感想「バンオウ-盤王-」(ネタバレ非表示)

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5.0
好きな何かがあるということ
連綿と続いてきた知的遊戯、将棋。数多の天才ら愛好家らが、各々の寿命と頭脳の限り、勝ち筋を磨いてきました。
中にはきっと、晩年思った人もいたはずです。
「ああ、自分に、あるいはあの将棋指しに、無限の時間と健康な体があったなら!どんなにか素晴らしい対局が生まれたことだろう」と。
この作品の主人公は吸血鬼。フィクションでは時間を持て余し、自ら命を断つ展開すら散見される魔物が、将棋に魅せられ必要に迫られ、現代の天才らに挑むお話です。
吸血鬼ならチート展開かと思いきや、昼は活動できず一箇所に留まれないしお金もないと、寿命の分設定の縛りがキツめ。主人公をチートにせず、あくまでも「単純に時間がある凡人」に止めるという作者の強い意志が伝わってきます。
登場人物のほぼ全てが将棋好きなので、画面全体の熱量がすごい。各キャラクターのバランスも良くて、最後まで飽きずに読める。人間関係もいいエッセンスになっています。
将棋はざっくりしたルールしか知りませんが、充分楽しめる作品です。
無限の命を持つ凡才は、人間の天才に勝てるのか。
一話見て面白いと思ったら、ぜひ結末まで見届けてください。by 色は匂えど-
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