5.0
名作に出会えた喜び
ベースはそんなに特筆すべきほどでもなく、勇者が魔王を倒す→腹黒国王がニセ勇者を立てる→パーティーメンバーの裏切り→生まれ故郷でスローライフを目指す、とまぁ言い方は悪いけどベタな設定です。
スローライフ願望モノはいくつか読んできたけど、この作品はかなり秀逸と言えます。
まず画が素晴らしいです。画力だけで引き込ませるほどのクオリティがあります。これ一つだけでも読む価値があります。
魔族のサラ、生まれ故郷の土地神様アクア、騎士団長の愛娘サーニャ、元パーティーメンバーのアイナ、と今現在配信済みに登場している村への移住者及び神様がこれでもかってくらい美少女尽くしで、すわ、ハーレムスローライフに陥るのかと思いきや、ノエルは一点の曇りなき紳士でした。
魔王すら倒したノエルはもう怖いものなしなので、出会う人ほぼ全員に割と軽めに『実は…』と現勇者はバチもので魔王を倒した勇者は実は自分なんですと明かしてしまいます。そんなにぺらぺら素性を明かして国王の知るところとなって望む静かな生活が得られるのかやや疑問にも思ったけど、これはある意味、ノエル流のリベンジなのでしょうか。オレはここにいる、もう勇者が誰だとかどうでもいい、生まれ故郷で静かに暮らしていくつもりだ、それを壊そうとするなら守るだけだ、と宣言するかのように。
続きが待ち遠しくなる作品に出会えて嬉しい限りです。
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