満州アヘンスクワッド
- タップ
- スクロール
あらすじ
「満州で一番軽いものは、人の命だ」時は昭和12年。関東軍の兵士として満州にやってきた日方勇は、戦地で右目の視力を失ってしまう。「使えない兵隊」として軍の食糧を作る農業義勇軍に回され、上官に虐げられる日々を送るも、ある日農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。病気の母を救うためアヘンの密造に手を染める勇だったが、その決断が自身の、そして満州の運命を狂わせていく…。
入荷お知らせ設定
?機能について入荷お知らせをONにした作品の続話/作家の新着入荷をお知らせする便利な機能です。ご利用にはログインが必要です。
みんなのレビュー
-
魅力的な活劇と、その違和感
小気味よく、スピーディーで、絶えずスリリングな展開力、ハイレベルな画力の安定感、そこに、阿片の蔓延する大戦中の満州という舞台装置のいい意味でのいかがわしさが加わって、時代物の活劇としての魅力は抜群である。
ちょっと都合よすぎる部分は散見されるし、そもそも「いや、阿片でそんなふうにラリることはないだろう」という根本的な部分での突っ込みどころもあるが、それらも些事に過ぎないと思わせてしまうくらい、作品に美しさと勢いがあり、とにかく一気に読ませる力にみなぎっている。
いやー、面白かった。
ただ、どうにも違和感としてつきまとうのは、好感度抜群の主人公一味がやっていることは、結局、芥子を栽培しまくって高純度の阿片を取り出して売りさばいてヤク中を増やしまくって富を得る、っていうことなんだよな、と。
ところが、この悪逆非道をやっている当の本人たちは、いたって爽やかなのである。
無邪気、と形容しても構わないくらいに。
たとえて言うなら「ダイの大冒険」の主人公パーティ並の爽やかさだ。
それでいいのか?
正直、ここは、難しい。
どんなに無茶苦茶な所業であれ、それが「主人公サイド」の行為であれば物語として徹底的に肯定する、というのも、ひとつの表現としてはアリだと私は思う。
ただ、やたらダークにしろと言いたいわけではないのだが、この主人公サイドの「軽さ」は、どうにも気になった。
読んでいる最中は基本的に、もう100%主人公たちを応援してワクワクしているのだけれど、ふと我に返って、「でも、こいつらのやってることって…」と考えると、どこか冷めてしまっている自分も感じた。
難しいね。
みんな阿片でラリっていない頭で考えてほしい。by roka- 34
-
5.0
難しいテーマの作品
最初の数話だけでもかなり精神的に堪える描写があります。
「苦手な方はご注意を」と書きたいところですが、当時の日常・出来事をノンフィクションではないとしてもかなり忠実に描いていると思います。
この時代の書物や当時を伝える作品(日本観点、中国観点の両方)を読むとこの作品が必ずしも大袈裟に、そしてイタズラにグロく描いていないことが分かります。
ストーリーは「生きる」「守る」ということを改めて意識させるような力強さを感じさせます。
生きることと大切な人を守ることが難しい時代だからこそなのでしょう。…と、そんな視点で読むと面白味が違ってきます。
現代では映画化は難しいかもしれませんが、この作品が30年以上前のものだったら間違いなく映画化されていたかもしれませんね。
この時代のことをあまり知らない方にも分かりやすい作品だと思うのでおすすめです。by 胡麻餡一択!- 33
-
4.0
私的には凄く引かれる作品
私は、実際の満州のことを知っている訳ではないけれど、 この作品で、満州の悲惨さ、戦争の悲惨さ、人間の欲望の恐ろしさ等、よく描けていると感じます。
阿片は一時の極上の快楽を与えてくれるのでしょう。
なかなか残虐な描写が上手すぎて、読むのが怖くて仕方ないのですが、次が読みたくて読みたくて‥‥ビビりながら読んでいます。by 清心- 9
-
4.0
NEW難しい題材
久々にダークな作品読みました。残酷な描写が多く、途中読み飛ばしたくなるのですが、でもやはり続きが気になり。デフォルメがあるにしても、過去の日本がしてきたことを知る1つのきっかけになりました。気持ちの余裕がある時に読み進めたい
by ミナトミカ- 0
-
4.0
NEW恐ろしい
昭和の話しなので、そう大昔というわけではない。現代日本とはこんなにも違うけど、きっと今もどこかの異国の地では、人の命が軽く扱われているんだろうなと改めて思う。人って恐ろしい。自分も恐ろしい側にならない保証はない。
by Terari- 0
同じ作家の作品
Loading
関連する作品
Loading
みんなが読んでるおすすめコミック
最近チェックした作品
>Loading
4.0