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血の通わない家族たち
家庭で妻と娘から虐げられている夫の話。
夫はその理由がわからず、悩みながら生きている。
まあ、好きに悩んでくれたらいいけど、いくら何でも都合がよすぎる展開に、正直うんざりした。
駅のホームから落ちかけた主人公をナイスバディーの美女が助けてくれて、待ち合い室で話を聞いてくれて、「それってDVじゃないですか」などと差し出がましいことを言い、翌日にはSNSの投稿から主人公の居場所を突き止めて、自分を傷つけるような家族は捨てちゃったらどうですか、などとほざく。
何なんだお前は。
主人公の娘は不登校だが、久しぶりに登校したら転校生のイケメン(ちなみにこいつは主人公を助けたナイスバディーの息子)が突然、友達になろう、と手を差しのべる。
その日の夜には、深夜のファミレスで話し合っている両親の会話を盗み聞きしたい娘のために、繰り返し、深夜のファミレスまでノコノコ来てくれる。
何なんだお前ら親子の即効性の高いバイタリティーは。
登場人物たちの苦しみも悲しみも怒りも、全てがご都合主義の作り物で、まるで血が通っていない。
何の共感も同情も感情移入も出来ない。
なぜならここに描かれているのは、人間の感情ではないからだ。
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