みんなのレビューと感想「[小説]淡雪のごとく恋は降る」（ネタバレ非表示）

史実を織り交ぜた内容

太平洋戦争に突入していく直前の上海租界の華麗な街並みが詳細に描かれている。詳しい人には情景が浮かび楽しい文章だと思う。

美術商として人脈を築きながら、諜報活動に従事している陸軍将校が、街で出会った支那人少女と恋に落ちていく過程も違和感なく読める。

2人を取り巻く人間は、一癖も二癖もある謎多き人物ばかり。情景描写は細かいが、登場人物の背景や内面は描き足りず、人間性がよくわからない。

この巻では、ヒロインが養育された家の義母や許嫁である息子の自己中心的で卑劣極まりない過去の所業や残虐的な性格を描くことに注力していたようなので、仕方がなかったのかもしれない。

後続編を書く際には前述の点に留意し、人物像を描いてほしい。まずは結婚式を挙げられたことで及第点とする。

ふた昔前の異国のお話。

戦前の異国のお話。歴史に疎い私は難しい背景説明はなかなか入ってこず少し流してしまいましたが、階級差と人種差がある中の富裕層の社交とサスペンスのようなストーリーはとても魅力的で食い入るように読み進めました。作者さんのキレイな言葉の紡ぎ方が好きです。他にはない世界観で楽しかったです！

星三つにさせてもらいました。私の基準としては、「一回買って読み終わった後、もう一度読みたいと思うかどうか」が星5つに関わってきます。その中で、今回の作品はとても設定が珍しく、男性の求愛シーンが素敵だといいなーと思い購入しました。求愛は素敵ではあったのですが、正直読み慣れていない上海語に、ちょっと苦戦し、話が頭に入ってこないこともあったのが事実です。読み返しはしないかな。。ということで3つです。

ただ最後の展開やストーリー構成は好きな作者さんなので、また新作楽しみにしてます！

最初から期待

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出会いから切ない感じ、悲恋が似合いそうな時代と場所。これからの展開が想像され、期待大です。できたら分冊にしてほしかった。