4.0
森光子さんという実在の人物(放浪記で有名な大女優の森光子さんではない)が書いた日記が元になっているようです。
東京での仕事の内容をろくに知らされもせず、19歳で売られた時点からお話は始まります。
彼女の絶望や悲しみ、恨みなど一言では言い表せない感情を記すことで、生きる支えにしていたのかもしれないと思いながら、読みました。
レビューには、主人公に対して辛口の意見がありましたが、冷静な観察眼、忍耐力がないとこのような日記は残せないと思います。
ご本人の森光子さんは、吉原を出た後、娼妓を自由廃業し、結婚されたそうですが、その後のことは分からないようです。
残された日記も一度絶版になり、再販になっているようです。過酷な状況に置かれた当時の娼妓を知る貴重な史料の一つであることは間違いないと思います。
ただ、本作は、絵が時々コワイので−1にしました。
- 4