5.0
切ない…ひたすらに切ない
大好きだった先生と対等なオトナになりたくて、教師の道を選ぶヒロイン。教員免許状をもって先生に報告しに行こうとしていた矢先に、先生が交通事故で亡くなったことを知ります。そこから目標を失ない、先生になる道も捨ててしまおうとします。
通夜の時、彼女が泣いている姿を、中学生の先生の息子が見ていて、その姿が強く心に残ります。
やがて、ヒロインは高校生になった彼に再会し、心を通わせ合っていくというストーリーです。
私は交通事故で大切な人を失った経験があるので、その喪失感がとてもよくわかります。
またこの物語の良い所は、ヒロインが高校生だった時、彼女は先生に告白しておらず、先生もまた彼女を生徒としてしか接していない点です。安易に恋愛関係にならず、彼女が先生と対等なオトナになろうと努力したところがとても物語に深みをもたせています。何年もかけて告白の資格を得たはずだったのに…と。
涙なしには読めない物語です。
- 6