5.0
非現実を通して現実を見た気がした
異性化というファンタジーはあくまでファンタジーで、現実に起こる事を考えたり自分に置き換えるには少々無理のある設定であることは否めない。
だが、主人公の異性化によって性別が変わると見えてる世界、価値観が変化したり、時には性的な好みが変化したり。起き得なかった災難に見舞われたり、新たな楽しみを発見したり。
そういった異なる視点を持つ事で自分の考えや心が変容していくことを、疑似的に経験したり考えさせられた漫画だった。自分が見ている世の中も、自分が変われば大きく変わり、好きだと思う事も正しいと思う事もこれからも大きく変わる可能性があるのだという事を突きつけられた。
セクシュアリティについても、正解というものは無く、多くの人が何かしら“普通ではない”側面を持っているのだろうということを感じた。
異性化という非現実を通して、現実世界の多様な個人差について、とても考えさせられた素晴らしい作品だった
- 0