5.0
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季節の移ろいとともに、花草、風等の描写や感情の変化がよく表現されており、そういった面でも大変楽しめる物語です。
キーワードは母。
裕福な商家に生まれながら、親の愛に恵まれず。欲したものは、母。
期せずして側女となるも、疎まれ、虐げられ、こき使われ。苛酷な立場に身を置いてなお、健気にひらすら身を呈して働く。
若君に仕えながら、実は、母に尽くしている。母への想いが切ない。
若君さまの外道っぷりが半端なく、ドエス満開。2つの哀しみがたまりません。
若君のクライマックスの漢っぷりもいいです。読んでニヤケます。
薄幸からの大円団です。
最後にお城を去ってから戻ってきた期間が、どう考えても半年では足りないはずで、そこだけ少し残念ですが、大勢には影響ありません。大満足です。
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