5.0
極端な関係
幼い頃から虐げられていたヒロインとヒーローは、その境遇や立場が似ていて、どちらも陰の部分が色濃いです。
ヒーローは、自分よりも酷い過去を持つヒロインを守るため、今までの自分を変化させて成長していきます。
その姿は極端で、ヒーローの行動全てが、ヒロインが傷つかず幸せに過ごせるように、というためだけのものでした。
ヒロインを守るためなら、人を殺めることも国を滅ぼすことも全く厭わないような突き抜けっぷりです。
まさに狂王そのものだなぁと。
狂った愛情に守られていたヒロインは、何も知らないところから、少しずつ自分で行動し、ヒーローの愛情を受け入れていきます。
最終的に、ヒーローを狂わせている自分の中の狂気も受け入れ、なにがあってもヒーローと共にいると…。
この2人(特にヒーロー)は、相手のために在ることが全てで、愛情なんて優しいものだけではない関係性でした。
一緒にいられるなら、どんな犠牲も厭わないという言葉そのままですね。
極端さが潔くて、重苦しくならずにあっという間に読んでしまいました。
あと気になった部分で、「公正明大」とありますが「公明正大」の間違いかと思われます。
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