1.0
勝手にしやがれ
恋に落ちるのは簡単だが、愛を続けてゆくには努力が要る、と思う。
その努力が出来ない、したくない、というならば別れるべきだ。
別れないなら努力をすべきだ。
どちらかだ。
結婚は維持する、でも努力はしたくない、いい大人が、阿呆か。
成績を上げたい、でも勉強はしたくない、という子どもと同じ、というか、それ以下だ。
腐った根性で家庭にいながら子どもを育てているぶんだけ、大人の方が罪は重い。
そんな、無責任を超越したような阿呆だから、「離婚してもいいですか?」なんてふざけたことを言う。
勝手にしやがれってんだ。
「はい、いいですよー」って誰に言ってほしいんだ。
それすら誰かに決めてほしいのか。
自分の人生の全て、誰かのせいにしたいのか。
まったく、タイトルからして最低だと思う。
だったら読まなきゃいいじゃないかって?
そのとおりだ、私が間違っていた。
だいたい、どういう読者にどういう感情を起こさせることを意図した漫画なのか。
「あーわかる、うちの夫もこんな感じ、ほんと、離婚したいよねー」という読者の反応を期待しているのか?
それを考えると、つくづく気持ちが悪い。
虫酸が走る。
漫画を読んでこれほど気分が悪くなったことは、多分ない。
エッセイ風の描き方だが、どうもフィクションらしい。
だったらなおさらタチが悪い。
これがエッセイなら愚かなだけだが、フィクションなら、そこに愚かな読者を釣ろうとするあざとさが加わるからだ。
そんな商売は、ほとんど邪悪と言ってもいいと思う。
やだやだ。
もう忘れよう、この漫画のことは。
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