5.0
ちゃんと、怖い物語
ふんわりした絵柄
“青野くんに触りたいから…”とは、大切な人を失った、
この扉絵の可愛らしい女の子が、それでも一途に好きだった彼を想い続けながらも、落とし所を模索し成長する物語なのだと、勝手に想像していた…
が。
確かに、確かにそのような部分もチラリと垣間見せはしながら、でも確実に違っていた、彼女は、
彼女は、一途にフラットに“覚悟”を決めている人間だった。
青野くんのところに行く。
彼女が命を絶とうとした瞬間、青野くんが幽霊となり彼女の前に姿を晒し、その後々青野くんの魂自体がバランスを崩し始めても尚…静かに、その決意…決定?は基本覆らず。
それでも普段はほんわかと、幽霊青野くんの存在と、知らなかった青野くんを知れる喜びと共に笑顔で過ごす二人。
そんな彼女と、事情を知るところになった友人二人、
そして魂のバランスを崩し、普段の青野くんと、彼女を取り込もう?とする悪霊・黒青野くんとの攻防が否応なしに開始され…。
青野くんは何故成仏出来ないのか?
魂の意識を乗っ取るように現れる黒青野くんとは一体?
彼女が知らぬ間に幽霊青野くんと交わしてしまったかもしれない契約は本当に存在するのか?
そして黒青野くんから見えてくる“青野くん”の境遇や過去、
そんな謎に迫りながら、同時に、
“生きていないモノからの干渉の恐ろしさ”を、ストーリーが進む毎に叩きつけられる。前振りもあまりなく急に。
柔らかな絵柄は、ずっと続く。
そこに落とし込まれる急な恐怖。狂気。有り得なさ。
この抑揚たるや…
柔らかな絵が動きを止め表情を失くす時、わたしはつい、
自分の後ろを振り返るクセが、この漫画でついてしまった。
怖くて今は無料分でストップしてるけど、
お気に入りに登録してあるので、きっといつか再び物語のページをめくり、読み進めたいと思います。
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