3.0
最新242話まで読みました
お話は面白いと思います。
主人公は純朴で人好きのする裏表のない女の子、チヌ。漁村の生まれのチヌが貧しさから姉共々遊郭に売られて、辛いこともありながら周りに助けられて人間として成長していく成長物語。主人公を取り巻くキャラクターも個性的だし、一つ一つのエピソードが面白いので最新話まで読みました。読者を引き込む力のある作品だとは思います。でも星三です。
理由はいくつかあります。
①お話の引き伸ばしがひどい
人気が出たからでしょうが、途中から引き伸ばしがひどいです。チヌが頑張る理由の「お姉さんと再会したい」を小出しに小出しに、脇役のお話とかで相当話数を使ってます。ライバル遊郭に勤める元からゆきさんの回想とかとにかく脇役の回想が長い。別の連載でやったら?ってくらい、チヌちゃんの話とは関係ない脇役の話の割合がどんどん上がってます。初期から、たとえば巴さんの過去とか脇役の回想はありましだか、まだ箸休め程度だったのが、主人公チヌを食うほど脇役に話を使うので段々とつまなくなってます。
②チヌのキャラ崩壊
若様と縁切りしたあたりから、チヌがキャラ崩壊して身勝手なただの遊女になってきました。幼なじみ的な遊郭の男衆栄太にふらふら、太客で闊達な後藤田社長にふらふら、他にも貢いでくれる太客の旦那さんがたくさんいて、でも若様が一番好き〜とモテモテで目移りしてる様が描かれてます。
一方でチヌは、遊郭はなぜ存在するのか、なぜ女は身を売らないといけないのか、と自身と読者にたびたび問いかけます。これは最初の頃から変わらずです。
チヌは遊女として大成功してます。身体を売ってるとはいえ上客ばかりで、相対的に同世代女性の中では嫌な目にほとんど遭ってない。時々出てくるお姉さんの転落に比べると天国にいるようなチヌが「なぜ女はこんなに苦しむの〜」と言えば言うほど、何言ってんだコイツ、になりました。
③さっさと身請けしてもらってお姉さん探しに行け
現実離れしてるほど出来過ぎだけどエンタメ遊郭ものとしては面白い。
そのメタ的設定を守るため、チヌは絶対に身請け話を受けません。ここにいないとお姉さんに会えなくなるとか、お姉さんが遊女なのに先に辞められないとか理屈を捏ね回して居心地のいい遊郭に居座り、太客に姉を探させる。いや姉大事なら、理解ある旦那に身請けしてもらって、自分で探せや。イライラ。
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