特装版 親なるもの 断崖
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- 作家
- ジャンル
- 女性漫画
- 出版社
- 小学館
- レーベル
- ビッグコミック・オリジナル
- 配信話数
- 全44話完結(20~34pt)
- タグ
過去に「親なるもの 断崖」を購入頂いたお客様でも、閲覧には再度購入が必要となりますのでご注意下さい。
あらすじ
昭和初期――室蘭の遊郭に売られていった少女たちがいた。初潮も迎えぬ少女たちが辿りゆく地獄への道。「売春は、女性の最初の職業だった」と、誰が言った。そうしたのはーー誰だ。2015年、電子コミック市場で空前の150万ダウンロードを記録した傑作が、全4巻で電子市場に再登場!!1992年日本漫画家協会賞優秀賞受賞作品。
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ユーザーレビュー
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渾身の名作
青森から室蘭の幕西遊廓に「売られていった」少女たちを主人公に、日本の近代化の中で目覚ましい発展を遂げた「鉄の街」室蘭の裏歴史を描く、一大巨編。
私たちのほとんどが詳しくは知らない北海道開拓の時代背景を語る「大きな」ストーリーと、そこに生きた女たちの「小さな」ストーリーのバランスが絶妙である。
大きなストーリーが主人公たちの描写にリアリティーと説得力を与え、小さなストーリーが歴史の解説に悲哀と情緒を与える。
この相互補完が見事に決まり、単なる史実を超えた、圧倒的な物語がそこに立ち現れている。
姉への複雑な思慕から、芸妓の世界を蹴って、自ら女郎として生きる道を選んだお梅。
没落した公家の娘という偽りの姿を演じ続け、芸妓として成り上がる武子。
器量の悪さから下働きをさせられ、女郎に憧れる道子。
決して報われない愛情を秘め、冷徹なまでに静かに振る舞う番頭の直吉。
個々のキャラクターの造形も素晴らしい。
私は、直吉が感情を爆発させる場面で涙をこらえられなかった。
作中、室蘭が作者の故郷であることが明かされる。
「残酷な性は知らされることなく、私たちは大人になった」。
その思いを胸に、作者はペンをとった。
そこにあったのは、何だったのだろう。
義務か、責任か、欲求か。
私が感じたのは、そういう言葉では説明のつかない、室蘭に生まれた漫画家として「描かねばならぬ」という圧倒的な熱量と、鬼気迫るほどの意志力であった。
渾身、という言葉がこれほど相応しい漫画を、私は他に知らない。by roka- 72
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4.0
忘れてはいけない
以前の作品も途中まで読んでいましたが、買い直しました。私は物語の舞台になっている北海道の生まれです。そう遠くない史実として、本当に多くの人々の涙や汗や血が流されて今の生活できる基盤が作られたと思うと…今を大切に生きなければと思います。親に売られ、年端もいかないうちに体を酷使され、現代では『ありえない』ような辛く苦しい中で強く生きぬいた先人に本当に頭が下がります。絵は独特で好みが別れるでしょうが、物語の雰囲気にあっていて悲壮感が伝わってくると思いました。松恵、お梅、武子、道子…皆、目を逸らしたくなる境遇ですが、しっかり受け止めて続きを読んでいきたいです。
by 匿名希望- 35
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5.0
目を逸らさずに…
この作品を読んで胸が締め付けられる人は多いと思います。
何故女郎にならなければいけなかったのか…それは家が貧しいから。
これは、女の子が産まれたらう売られることが決まっていた北の貧しい地方が舞台の話です。
誰に買われていたか…
それは主に軍人や船乗り、そして北海道の開拓民。
女郎の苦しさを描いた作品はたくさんありますが、この作品では北海道の開拓民のことにも触れています。
東京で開拓使に騙され北海道へ連れていかれ、劣悪な環境の中で働きダメになれば見捨てられる。
女郎と同様、逃げ出せば折檻が…
劣悪な環境の中でも仕事に精を出させる為に、金と女は必要不可欠だったことが読み進めていくうちにお分かりになると思います。
東京の吉原での話とはかなり違う、北の遊郭の真実・歴史がぎっしり詰まっています。
この作品を読んで泣いた方はきっと多いと思います。
ただ同情したとかではなく…うまく言えません。
ラストはバッドエンドではありません。
時代背景的に「ハッピーエンド」とは言えませんが、読み終わりは重いながらもスッキリします。
オススメです。by 匿名希望- 24
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5.0
全部購入しました
ものすごい頻度でネット広告はみていましたが絵柄があまり好みではないので、購入は躊躇していました。
休日にふときになって、読み始めると波や風の音など聴こえるような強い描写にすぐに引き込まれていきました。
当時、こういう生活を余儀なくされた人々がいたのでしょう。
内容がすごく重くて暗い部分があるので、気持ちが落ちているときに読むのはおすすめできません。
明るい作品と交互に読むくらいじゃないとすごくしんどかった。
そういう点では少女漫画作品に救われました。
時代背景、情勢などとてもよく描かれていました。
本だったら自分では手に取ることはなかったと思いますので電子書籍はあらゆるめぐりあわせがあり、可能性があるなあと改めて思いました。by ハレル- 19
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5.0
救いのない話ではない。
とても重く苦しい内容ではありますが、救いのない不幸な話し、ではないと思います。
生きることは死ぬよりもつらく苦しいけれど、お梅は最後まで生き抜きました。その結果、かけがえのない娘という存在を生み、義母の言うように「世界一幸せな母親」であったこともまた事実だと思います。そして、大河内家という盾を使い、道生を守り通した義母もまた、女性の強さ、優しさを感じさせる象徴的な存在でした。身請けしておきながら、ただ世間と距離を置くくらいしかしなかった旦那より、よほど強いです。
ただ、道生が女性ながら教師という職業をもち、好青年と結婚できたのは、やはり家柄という後ろ盾があったからだと思います。
現代社会においても、貧困の連鎖の問題は残っており、そういう意味では、いつの時代も不遇な人というのは一定数いるわけです。
そのような中でどう生きるか。
戦前戦後の一時代を知るだけでなく、自らの生き方を問う名作だと思います。by 匿名希望- 15
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