マイコインタビュー(後編):好きなタイプは真っ直ぐな人!大正・昭和時代に、強く逞しく生きた女性に憧れて
更新日:2018/07/31 10:00
映画やドラマ、舞台などで幅広く活躍する女優・マイコさんが登場! 彼女の最新出演ドラマ『透明なゆりかご』の撮影舞台裏や、自身が好きな渋すぎる漫画、好きな男性のタイプなどなど、内容盛り沢山で語ってもらいました!
強く感情を揺さぶられた名作「特装版 親なるもの 断崖」
マイコ
――他にはどんな漫画を読んでいますか?
昭和初期の室蘭の遊郭を舞台にしたお話、「特装版 親なるもの 断崖」 (曽根富美子/小学館) です。正直、最初のキッカケは覚えていないのですが、何かで目に止まり絶対欲しいと思って買いました。
この作品に描かれている歴史は私が初めて知るもので、女性として人間として衝撃的な内容でしたね。それまでぼんやりとしたイメージでしか遊郭を知らなかったんですけど、まさかこんなに悲惨な世界とは……。
――印象に残っているシーンはありますか?
遊郭という生き地獄の中で生きる主人公・お梅(うめ)の、「いつも 空腹で目が覚め ああ 今日も 私は女郎なのかと それでも 夜 男をむかえるため 身じたくをする 土中深く無理矢理 うめられてしまった 私の悲しみを さみしさを あの死ぬほどの痛みを あなたに捜して欲しい せめて忘れないでいて欲しい 私のような女たちが いたことを」という心の叫びのシーンで、もう何とも言えない気持ちになって。
女郎として悲しみを抱えながら生きるお梅に対して、中島聡一(なかじま そういち)さんが言ったセリフ「無学なのを当たり前だと思うな! 自分が女郎でいることに疑問を持て!」というシーンにも胸を打たれました。
現代に生きる私達と境遇がまるで違うけど、過酷な運命に耐えて強く生きようとする女性たちが尊く感じて、同じ女性としてすごく感情移入しました。
読んでいて、胸が苦しくなるほどつらいお話だけど、自分が受けた感情や感覚を大切にしたいし、忘れたくないと思える作品ですね。結構まわりにもすすめています。
マイコ
私にとって清涼剤のような漫画「はいからさんが通る」
マイコ
――ジャンルとしてはどんなものに惹かれるのでしょうか?
漫画に限らずかもしれませんが、ここ最近は昭和レトロや大正ロマンみたいな時代モノに惹かれる傾向があります。自分が知らない世界について勉強するというか、何か大事なものを発見するというか。
「はいからさんが通る 新装版」 (大和和紀/講談社) もすごく好きな漫画で、大正時代のクラシカルなファッションとかヘアスタイルにすごく憧れているんですよ。特に、主人公・花村紅緒(はなむら べにお)の袴姿にブーツスタイルが、もう可愛くて可愛くて。
こういう衣装で撮影できる写真館がないかネットでよく調べていて、ほぼコスプレかもしれないんですけど、物凄く着てみたいんです。仕事でもプライベートでもなかなかチャンスがないのですが、いつか実現させたいです!
この作品が描かれたのが1970年代なので、美しい昔の日本語と当時のレトロなギャグが織り交ぜられていて、読んでいて心地良いんですよね。
――確かに、70年代の漫画技法も今読むと新鮮で味わい深いですよね。
良いですよね。物語も古き良き時代の純愛というか、すごくドラマチックだし、見どころがいっぱいです。
あと、登場人物全員が相手のために身を引ける、まず相手の幸せを願う、という価値観を持っていて、そういうところも憧れます。自分もこんな風になりたいとは思うんだけど、なかなか簡単ではなくて。だから、読むと気持ちが清らかになる、心が疲れたときに読みたくなる、私にとっては清涼剤のような作品です。
マイコ
――「はいからさんが通る 新装版」 (大和和紀/講談社) で、お気に入りの男性キャラクターはいますか?
みんな素敵できれいな男性ばかり出てくるんですけど、紅緒の上司・青江冬星(あおえ とうせい)がお気に入りです。紅緒の幸せのために、自分のことは犠牲にする姿にぐっときます。彼はどこかで幸せになっていてくれたらいいなって。
――漫画を読んでいて、好きになりやすい男性はどんなタイプですか?
真っ直ぐな男性に惹かれます。「特装版 親なるもの 断崖」 (曽根富美子/小学館) の聡一さんもそうですし、「はいからさん」の男性キャラクターも真っ直ぐですね。
「好きでしたよ もうずっとまえから」という木の上で告白するシーンには、すごくキュンとしました。少尉のスタイルがものすごく良くて、足長いですよね。
――映画・ドラマ・舞台など、実写化されることが多い同作ですが、今後マイコさんが演じてみたいキャラクターはいますか?
ファッションにドハマリしているので、どのキャラクターでも嬉しいです。北小路環(きたこうじ たまき)さんもカッコイイし、女性陣は特に気持ちの良いキャラばかりですね。
背景的に良妻賢母が良しとされる時代で、それぞれの女性がすごく自立しているので、読んでいて痛快だし元気がもらえます。
- 少女漫画 はいからさんが通る 新装版
- 4.5 (921件)
強く生きる女性を演じたい
――公私ともに漫画をよく読んでいるというマイコさんですが、オフのときはどう過ごしていますか?
最近はジムに行って運動をするときもあれば、インドアで全然動かないときもあります。そんなときは漫画や本を読んだり、YouTubeも好きで結構見ています。
マイコ
――どんな動画を見ているんですか?
高速でピアノを演奏する動画とか、料理・大食いの動画なんかを夜な夜なベッドの中で見ています(笑) 寝る前の癒しというか。最近は皆さん良いマイクを使って動画を撮っているので、食べ物系は臨場感がすごくて深夜だとお腹空いちゃって危険ですね。
マイコ
外に出かけるときは、映画を観たり、一人で美術館に行くのも好きです。美術館はあるときからハマっていて、ミュージアムショップも大好きで、気に入った絵があったらポストカードを買って楽しんでいます。時間が取れないとなかなか行けないんですけど、今は「竹久夢二美術館」に行って大正レトロを満喫したいです。
――お仕事の方で何か目標はありますか?
もちろん、どんな役でも有り難くて嬉しいんですけど、柔らかい役が続いた後は逆に強い役をやりたくなるので、今後機会があれば、今回お話したような昔の時代に強く生きた女性の役を演じたいし、自分自身もそういう女性になれたらなと思っています。
マイコ
漫画や自身のお仕事について、愛情と熱意たっぷりに語ってもらいました。今後、マイコさんの袴にブーツスタイルが見られることを楽しみにしています!
写真:原恵美子
ヘアメイク:黒澤貴郎
スタイリスト:三塚亜以子
プロフィール
マイコ(まいこ)
1985年、東京都出身。2008年、映画「山のあなた~徳市の恋~」のヒロイン役に抜擢され、スクリーンデビュー。大河ドラマ「龍馬伝」(2010年)や連続テレビ小説「おひさま」(2011年)などの好演が話題となった。ドラマや映画の他、舞台「ガラスの仮面」(2014年、2016年)では主人公・北島マヤのライバル・姫川亜弓役を務めるなど多方面で活躍する。2018年7月20日にスタートするNHKドラマ10「透明なゆりかご」では沖縄出身の妊婦役として出演。
◆NHKドラマ10「透明なゆりかご」2018年7月20日(金)スタート・連続10回
総合 毎週金曜 夜10時
【公式サイト】
https://www.nhk.or.jp/drama10/yurikago/
◆ジーアールプロモーション
【マイコ 公式プロフィール】
http://grpromotion.co.jp/talent/maiko/
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作者
小山喜崇
昼は編集者、夜はイラストレーターとして働く。好きな漫画は、吉田戦車や和田ラヂヲ、漫☆画太郎などのギャグ作品。記事タグ
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