5.0
素敵な物語(女性もぜひ読んでほしい)
「泣き虫の殺し屋」というサブタイトルの映画はありましたが、空気のような殺し屋の物語。
他の方も書いていらっしゃるように天才的な殺し屋が普通の暮らしをやってみる、というテーマが本当に面白いです。当然、事件に巻き込まれるわけですが・・・・・。
最初は、絵も青年漫画らしく怖い感じだし、すぐに殴られたり殺されたりするから、無料分を1話ずつ読んでいました。天才殺し屋といえ、そんなにそんなに天才的な場面が出てこなかったから。
それが、天才殺し屋・佐藤明の天然ぶりや、天使すぎる心優しいミサキちゃんや、ドスの効いた美人で、でも面倒見がよくて記憶力が抜群のヨウコちゃん、ヤクザだけど味のある若頭・海老原さんとか、じわじわとそれぞれの良さが身に染みてくる。まるでファブル中毒症にする毒のように。
最初は1話1話読んでいたのが、だんだん、1巻、1巻読むようになって、最後の方は毎日数千円つぎ込んで数巻ずつ読んでました(笑)
特に200話で脳天に電気が走りました。殺し屋の最高傑作・佐藤明の登場が映画のクライマックスシーンのように描かれていました。以降は怒涛のように読み続けてしまいました。
山岡という、有能なファブルなのに、いつのまにか、悪党になってしまった異常者と、山岡ともに現れるユーカリやアザミなどの新たなファブルの登場も面白いです。
アザミについては、硬派な味方が現れたな、と思ったのに、実は味方なのか敵なのか、最後まで分からない。ファブルたちがミサキちゃんと明が勤めるオクトパスで、一般人っぽく振舞う姿にも笑えます。
また、最初から、仲介人みたいに登場していたオネエ系のオッサンが、最後まで、ある意味重要な存在として登場するのも興味深かったです。実は一番、人情のある人だったかもしれない・・・・・・。
それと、最初は、殺し屋・明に憧れすぎて、橋から飛び降りたり山籠もりについて行ったりするクロちゃんが、バカっぽくて好きじゃなかったのですが、最後は号泣するクロちゃんとまったく同じ気持ちになり、共感しました。
ハードな殺し屋の青年漫画だと思っていたのですが、最後の方は、もう、涙が出てくるし、ほんわか、うっとりするシーンもあって、本当に素敵な物語でした。(まだ終わりじゃないのかな?)
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