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作品レビュー
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11 - 20件目/全81件

  1. 評価:5.000 5.0

    未完の中毒遺作

    大変失礼ですが、内容そのものはめっちゃアホなラブコメ漫画です。アホ過ぎます。
    ただ、絵もストーリーも特別に秀でた才能のある作家さんではないのですが、不思議と読ませる力のある方です。

    連載当時、私は主人公達より若く、高校生の恋愛漫画を見ながら憧れたりもしていたものですが、この作品はすべてが斜め上で色々と突き抜けていました。
    言い方が悪くて申し訳ないけど、とにかくいらないエピソードや下らないやりとりが多くて、しんどい漫画だなと思っていたのに、何故か必ず見ていました。
    何故なのか疑問でしたが、改めて作品に触れてみて感じたのは、中毒性。
    琴子は本当にアホでハラハラもイライラもするけど、ずっとしぶとくとことん一途だし、時々すごく健気で可愛い。
    入江くんは腹立つばっかりで、主人公も読者も焦らしに焦らして、忘れた頃に唐突に胸キュンさせてくる。
    時々の可愛さと胸キュン。
    たぶんその頻度やバランスがとてつもなく絶妙で、文字通り中毒になっていたのではないかと思います。
    それが計算なのか天然なのかはわからないけれど、どちらにしろそれは、作家さんの恐ろしい才能ではないでしょうか。

    たくさんの方が、入江くんは元祖ツンデレだとレビューされています。
    まぁ、私の中の元祖は別にいますが、入江くんがそう言われるのは当然で、後に続く数々のツンデレヒーロー達はやはりどこかツメが甘く、入江くんの徹底した焦らしとツンデレぶりには到底敵わないと思うからです。

    最終回になってしまったその回の最後で、作家さんの急逝を目にした瞬間のショックは今でも忘れられません。
    入江くんと琴子をめっちゃ盛り上げといて逝ってしまうなんて、最期まで焦らし切りましたね、本当に。
    こんなに中毒性があって気になってしまう漫画、夢中にさせられた漫画を、これから先も読めるかどうか…と思うくらいには、私に根差している漫画です。

    • 2
  2. 評価:4.000 4.0

    焦点は能力の高さ

    この作品を読むまで私はこの斎さんという方を知りませんでしたが、こんなにすごい能力者が存在するのかと驚きました。
    残念ながら2年ほど前に癌でお亡くなりになった様ですが。

    表紙にある「怨念旅館」はほんの一例。
    あらゆる相談者のあらゆる霊関連のお悩みを、並外れた能力であっという間に解決に導いていきます。
    本当にあっという間。
    あっという間に原因を見抜いてあっという間に除霊します。
    タイトル通り、ほぼ強制的です。
    この作品を楽しめるかどうかは、その能力をどれだけ信じられるかに掛かっていると思いますが、この斎さんという方の言は、理に叶っていて説得力はあります。
    焦点は霊ではなく、あくまでも彼女の能力やお人柄の方にある作品です。
    作画が綺麗なので、そんなに恐ろしい描写でもなく斎さんの能力に注目して読む事が出来ます。
    それにしても、こんなにすごい能力を持つ方って、なぜ存在するんでしょう。
    そんな事も考えてしまいました。

    様々なお悩みパターンがありますが、私はお稲荷様が苦しんで号泣するお話がかわいそうで涙ぐんでしまいました。

    • 3
  3. 評価:5.000 5.0

    発見は大切

    チャレンジの内容がちょっぴりユルくほのぼのとしていて、でも地味に消耗する感じがなかなかツボでした。

    チャレンジをする事で気づく何かは、例えささやかだったりしても、どこかで潤いになるものですよね。
    どんな事でも知らないよりは知ってる方が豊かではあると思います。
    普通に会話するにしても、やっぱり博識な人の方が面白いし有意義ですし。
    それがくだらない雑学だったとしても。

    ご夫妻の空気というか雰囲気が、可愛くて優しくて、とても癒されました。
    私は、こういう作家さんのお人柄や生活の一部を垣間見られる作品は無条件に好きなので、楽しかったです。

    • 2
  4. 評価:5.000 5.0

    どうか、お互いの世界を拡げて

    こんなふうにお互いの存在を、世界を、尊重しながら恋をするのは、なかなか難しいんじゃないでしょうか。
    恋愛ってもちろん、キレイゴトではないし奪いたかったり与えたかったり欲しかったりで、それは常に優しさだけではない感情がつきまといますよね。
    でも逸臣くんと雪の世界は優しさでリンクされ、尊さを感じさせてくれます。
    どうか、この先も2人がお互いの為に優しく関係を深めていって欲しいと思います。

    雪ちゃん可愛過ぎるやろー!
    逸臣くん男らし過ぎるやろー!
    ここより配信が進んでる他サイトでも購入してしまいました。
    逸臣くんのドイツ語の呟きとか、ここぞという場面での手話とか、雪ちゃんには聞こえないけれど優しい声だとか、なんかもうかなりいいです。
    また、桜志くんの気持ちもとても理解できるから切ないし辛いw
    長年、雪ちゃんを大切に思ってきたでしょうに…。

    近年、車椅子だったりロービジョンだったりハンディキャップのある主人公の作品も増えてきましたが、この作品が一番、心に響くし沁みます。
    なんともいえない優しい気持ちになれて、おすすめです。
    タイトルもいいですよね。
    ゆびさきから、手話や色々で、恋を紡ぐ。
    そんな響きが。

    • 2
  5. 評価:5.000 5.0

    人生をまた一から

    ネタバレ レビューを表示する

    この作品は漫画といえるのかというご意見もある様ですね。
    確かに一見、絵より文章で綴るエッセイの要素が多いのでそのご意見もわかります。

    ただ断片的で部分的な絵が意識の混濁、記憶障害などを表現するのには、とてもマッチしていてリアルさを感じるので良かったと思います。
    幻視や幻触の恐怖がわかりやすく、心情も細かく描かれるより、返って分かりやすく正解だった気がします。

    この作者さんは、理路整然とした思考が出来ない程のダメージが残り、子供の様な感覚にまでなってしまった事が、逆に良かったのかもしれませんね。
    闘病もリハビリも壮絶なものだったでしょうし、はっきりした意識では、さらに辛かっただろうと想像出来ます。
    新たなスタートを純粋に受け入れられていた事こそが、順調に回復出来た大きな要素ではないでしょうか。

    作者さんの以前の生活や不摂生の描写を求めるレビューもありましたが、私的には心肺停止、蘇生、意識不明からの少しずつの生還の描写を十分貴重に感じたし、稀有な体験談を共有させて頂けただけで、大変興味深く読ませてもらいました。

    • 2
  6. 評価:5.000 5.0

    シュールかわいい

    とにかく常に周囲の人達にシュールで行き過ぎたいたずらをかますかりあげクン。
    上司や同僚や友人、時には通りすがりの人までターゲットにされてしまい、ちょっとかわいそうなくらいですw

    でもなんか、なんだか、かわいい。
    犯罪レベルのいたずらをするのに同僚とは仲良しだし上司はかわいがってます。
    和気あいあいなので、読んでて微笑ましく思えてしまいます。

    小さい頃、親が買って置いていたかりあげクンは何冊もありました。
    手持ち無沙汰な時には、いつも読んでいた気がします。
    家族みんな、それぞれが。
    それってやっぱり、楽しくって和めるからだったんだろうなぁと思います。
    思い出補正込みで☆5です。

    • 1
  7. 評価:4.000 4.0

    正解かどうかなんて

    ネタバレ レビューを表示する

    とても重いテーマを描いている作品。
    しかもそのテーマはひとつではなくいくつもが盛り込まれていて、どんな人でもその様々な立ち位置で、感情移入出来る作品になっているのではないかと思います。

    私自身は生まれも育ちもどちらかというと都会的な地域ですが、認知症の祖母と2年ほどだけ田舎暮らしした経験があります。
    その経験を思い返してみると、この作品で描かれているあらゆる場面が決して単なるフィクションではないと感じます。
    その土地独自の空気、暗黙のルール、密な距離感。
    こう書くとネガティブに響きますが、その土地の人々からすれば、ごく自然にやっているし当然だとされている事が多々ありました。
    「良かれと思って」←魔法の言葉。
    そんな独特の雰囲気を思い出しました。
    でも作中の老夫婦にとって、そのすべてが救い以外の何物でもなかったんですよね。
    ちょっと乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、老夫婦や地域の皆さんがした選択、そしてその結果が正解かどうかなんて、正直どうでもいいとさえ思えてしまった自分がいます。
    それは作中の登場人物の皆が、その事実を受け入れ、最終的に納得しているから。
    社会的にとか倫理的にとか、そんなレベルの話ではないものが通るこの世界観は本当の意味での優しさと愛なんだと思います。

    この世できっと、一番苦しむであろう死に方を選んだ老夫婦は、それがせめてもの贖罪だと決意したのでしょう。

    • 2
  8. 評価:3.000 3.0

    これ、ずるい

    いきなりの個人的な話で恐縮ですが、私は選択独身です。
    要するに敢えて意図的に結婚しないでいるわけですが、それは自分は子供を設けないという決意をした事が理由のひとつです。
    その立場で見ると、この作品の中の武頼はずるいですね。
    世の中にはあらゆる立場とあらゆる理由があって当然で、子供に関しては望んでも出来ないとか、そもそも望んでないとか様々だと思います。
    私の理由については省きますが、誰かとおつき合いをする時点で話を聞いてもらっています。
    武頼は純ときちんと真摯に向き合って心を吐露しないなんて、ずるいです。
    結婚したなら。
    周囲の人とかそもそも関係ありません。
    デリケートな事だろうが何か傷があろうがトラウマがあろうが、もう夫婦ならば逃げちゃダメなものがあるでしょう。
    今後の答えを嘘や無言ナシで、2人で導き出して欲しい。
    「夫婦」の意味をみせて欲しい。

    余談ですが、作者はブライアン・スミスのファンなんでしょうね。
    名前がわかりやすいw

    • 3
  9. 評価:4.000 4.0

    ジョージ朝倉の素地

    この方の作品は、何を読んでもパンチがあるし、興奮するし、馬鹿馬鹿しいし、痛々しい。
    何とも言えない吸引力のある作家さん。
    若い頃の私は、この方のほとんどの作品を揃えていましたが、これもそのうちの1冊でした。

    初期の作品集の様なもので、ギャグ要素多め、シュールさが際立つ、アバンギャルドでアクティブでファンタスティックな内容ですw
    何というか、ジョージ朝倉の素地を感じられると思います。
    「原点」というより、もっと根本的に人を形成してる素地が。

    私はおふとんの話が好きです。

    • 2
  10. 評価:5.000 5.0

    愛も死も暴力も

    この作品が描かれたはっきりした年代を知りませんが、かなり昔のもので、私が学生の時でも既に古い漫画の部類でした。
    それでも根底にあるものは、普遍的で時代などは関係ない作品だと思います。

    一見、清く正しく明るい青春漫画ですが、とても重く苦しいテーマが幾つもあり、時には目を背けたくなるほど辛い時期もあります。
    主人公達の中学時代から大人になるまでのストーリーで、私が初めて読んだのも中学生の頃だったと記憶してますが、涙なしには読めない、というより何度も号泣しながら読んでましたし、今でも読めば泣けてきます。
    なのにやはり、時折ふと読み返したくなり繰り返し繰り返し、読んでいます。
    本当に時間に余裕がある場合だけですが。

    キラキラだけの漫画ではありません。
    登場人物それぞれの人生が丁寧に描かれ、そこに在ります。
    愛も死も暴力も。
    リアルかと問われれば、それはやはり漫画なので、現実的ではないかもしれませんがドラマティックで引き込まれます。
    絵柄や登場人物のキャラクターなどが個性的だし、好みが分かれやすいかと思いますが、少なくとも私は好みではないのに魅了された1人です。

    • 1
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