spica*pさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全81件
  1. 評価:4.000 4.0

    新しい恐怖

    普通に、と言うと失礼かもしれませんが、本当に普通に楽しんで読めました。
    他人の家の鍵を勝手にコピーしてさりげなく戻し、家主の外出時間を把握して、その留守中に侵入。
    我が家の様に利用する「ヒル」という存在。
    その発想が自分にはまったくないものだったので、私って善良wと思ったりしました。
    リアルにヒルがいたら、めちゃめちゃ怖いし腹立たしいし、きっと恥ずかしさまで生まれてしまうし、これって何の罰ゲームやねんって感じですよね。

    新しい恐怖だと思います。

    まぁ、そんなに都合良く複数の鍵が手に入るわけないやんとか、シャワー浴びた後の水滴とかどうすんのいちいち拭くのとか、細かいツッコミどころはあるんですが、全体的にスリリングで面白かったです。

    ハコは普通の女の子だけど、ほどよくお人好しでほどよく自分勝手でほどよく悲劇のヒロイン思考で、なんかヒルになりそうだなと思わせられてしまう人物像です。
    彼女には、個人的に特に大きな魅力が感じられなかった事が少し残念なんですが、そのちょっと残念な子が徐々に変化していく様がこの作品のテーマなので、彼女が主人公なのは正解なんだと思います。
    対照的にカラはなんだかとても魅力的です。
    なぜか男の色気が半端ないです。
    悪い事してるのにかっこいいとかダメです。
    人間、あんなに変わってしまうものかなぁという疑問はありますが…。

    ラストは、なんかレビューでご立腹なほど気に入らない!って方が多くてびっくりしたんですが、ヒルという存在のイメージそのものな雰囲気で私は好きでした。
    行間を楽しむとか、余白を楽しむとか、そんな感覚で読むといいかもしれません。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    信じてもらえなくて

    まったく信じてもらえなくて全然いいのですが、鼻で笑ってくれて一向に構わないのですが、私はいわゆる「見える人間」だったので、本当に心の底から共感してしまいました。
    見える子ちゃんの様に、一生懸命見えないふりをしていた経験があって、コレ自分の事やん!と思って何だか笑えました。

    実際に私に見えていた霊は、この漫画みたいにキッツイ見た目な方々は皆無で普通の人とほぼ変わらない見た目だったので、スルースキルは見える子ちゃんの方が俄然高いと思います。
    尊敬します。
    実際にこんな見た目キッツイ霊ばかりが見えていたら上手にスルーする自信はありません。

    さて、お気づきでしょうか。
    ここまで私の見える経験が過去形なのを。
    そう、今は見えません。
    私はある時から猫と暮らす様になったのですが、そこから不思議と徐々に見えなくなり、今ではまったくの凡人になれました。
    それ以降ずっと猫と暮らす生活が続いてるおかげなのではないかと思っています。
    猫サマサマでございます。
    もし自分も見える、だから困ってるという方がいて、猫と暮らした経験がなければ、試してみるのもいいかもしれません。
    ご自身の環境が許せば。
    絶対見えなくなるという保証は出来ませんけど。

    • 7
  3. 評価:4.000 4.0

    リアル風早くんを観て

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    ずっと気になってはいたけど、長編過ぎて手を出す勇気がなくて買い控えていたこの作品。
    よし!読んでしまえ!と決意したきっかけは、1年前に急逝された俳優の三浦春馬さんの存在でした。
    特別ファンでも何でもなかったのですが、彼を目にする度に、なんてすごい好青年なんだ!と常々思っていました。
    あんなにステキな人があの様な亡くなり方をされた事が信じられず、とてもショックでした。
    ファンでもないのに、何故か今でも立ち直れない自分がいたりします。
    亡くなられてから彼の軌跡を辿ったりする様になり、この作品の実写化映画を観て、彼が演じた風早くんがとても好評価だった事を知りました。
    リアル風早くんだと。
    なるほど、確かに漫画の中の風早くんも三浦春馬さんも、えっ本当に?嘘でしょ?というくらいの爽やかな好青年っぷりはとても酷似していると思います。
    映画を観る前に、三浦春馬さんの人となりを知る前にこの作品を読んでいたら、いかにも恋愛漫画のTHE·ヒーローな風早くんを、私はどこか冷めた目線で見ていたかもしれません。
    でもそういう人がリアルに存在しました。
    なので胡散臭いくらい爽やかで好青年な風早くんはとてもリアルなヒーローです(キッパリ)。

    ヒロイン爽子がリングの貞子みたいだと周囲に怖れられているという初期の設定も結構好きです。
    そんな爽子がどうにも気になってしかたがない風早くん。
    なぜなら彼は彼女の、とても可愛らしくていい笑顔を知っているから。
    風早くんの優しさに触れる事で、爽子は少しずつ他の人達の優しさにも触れていく事になります。
    この作品は悪人がいなくて、優しい気持ちになれるのが良いところでしょうか。
    みんないい子ばかりです。

    ただ私が☆をひとつ減らした理由は、長期連載漫画にありがちな、引っ張れるだけ引っ張ったれ!という編集部の思惑です。
    これが自分はどうしても好きになれなくて飽きてしまいます。
    個人的な好みではあるんですが…。

    あっ、個人的な好みといえばもうひとつ。
    登場人物の中では龍が好きです。
    自分の高校時代の彼氏も野球部のキャッチャーで4番でした。
    私はチアリーダーでしたが心の中では彼氏の応援ばかりしていましたw
    龍があの頃の気持ちと想い出を、久しぶりに鮮明に思い出させてくれて懐かしかったです。

    最後にどうでもいい情報ですみません。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    シュールかわいい

    とにかく常に周囲の人達にシュールで行き過ぎたいたずらをかますかりあげクン。
    上司や同僚や友人、時には通りすがりの人までターゲットにされてしまい、ちょっとかわいそうなくらいですw

    でもなんか、なんだか、かわいい。
    犯罪レベルのいたずらをするのに同僚とは仲良しだし上司はかわいがってます。
    和気あいあいなので、読んでて微笑ましく思えてしまいます。

    小さい頃、親が買って置いていたかりあげクンは何冊もありました。
    手持ち無沙汰な時には、いつも読んでいた気がします。
    家族みんな、それぞれが。
    それってやっぱり、楽しくって和めるからだったんだろうなぁと思います。
    思い出補正込みで☆5です。

    • 1
  5. 評価:4.000 4.0

    コロナ禍の中で読むと

    もう何年も前に描かれた漫画ですが、現在の状況下で読むとやはり、感じるリアルさが違うなと思いました。
    個人的な幸不幸はともかく、戦争も世界恐慌もスペイン風邪もエボラ出血熱も、何も経験せずに生きてこられた自分の年代は、何と平穏だった事かと実感します。
    SARSだって、ほぼ他人事でしたし(反省)。

    この作品の中の恐怖や脅威は、ウイルスのそれだけではなく、いくつものポイントがあって、想像力を掻き立てられます。
    想像が膨らめば膨らむほど、ゾッとするし頭の中もパンデミック状態になります。
    ただ、この約1年でコロナウイルスにより変貌してきた世の中を感じていなければ、その想像力はもっと乏しかっただろうなと思いました。
    何かしらに対する感情や評価はタイミング次第で本当に大きく変わるんだと、改めて考えさせられました。

    主人公だと思われる医師は、ストーリーの流れ上、そんな役回りになったのかもしれませんが頼りないし傍観者の様でありますが、作品を監修された方は視野が広く予見能力の高い、素晴らしい医師で研究者だと思います。
    こんな方が現在の様な世界をいつも救って下さっているのでしょう。

    • 0
  6. 評価:3.000 3.0

    児童図書の魅力

    とある私設児童図書館を舞台に、様々な人の背景に児童向け図書のストーリーを絡めながら展開していくストーリーです。

    ある程度、読書はしてきたけど児童図書はほとんど読んでこなかったなと気づかされました。
    何年か前から絵本ブームなどもありましたが、幼児や児童向け図書の魅力を再発見、または再確認する事が出来る点ではとてもいい漫画だと思います。
    自分の場合は再ではなく新発見でしたが。

    ただ個人的には主人公をはじめ、登場人物誰もに魅力を感じられず、何というか全体的に鬱陶しさや暑苦しさがあり、そんなに楽しめる内容ではありませんでした。
    好みじゃなかっただけなので申し訳ないのですが、この評価です。
    児童図書の魅力を知れた事は感謝しますw

    • 0
  7. 評価:4.000 4.0

    正解かどうかなんて

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    とても重いテーマを描いている作品。
    しかもそのテーマはひとつではなくいくつもが盛り込まれていて、どんな人でもその様々な立ち位置で、感情移入出来る作品になっているのではないかと思います。

    私自身は生まれも育ちもどちらかというと都会的な地域ですが、認知症の祖母と2年ほどだけ田舎暮らしした経験があります。
    その経験を思い返してみると、この作品で描かれているあらゆる場面が決して単なるフィクションではないと感じます。
    その土地独自の空気、暗黙のルール、密な距離感。
    こう書くとネガティブに響きますが、その土地の人々からすれば、ごく自然にやっているし当然だとされている事が多々ありました。
    「良かれと思って」←魔法の言葉。
    そんな独特の雰囲気を思い出しました。
    でも作中の老夫婦にとって、そのすべてが救い以外の何物でもなかったんですよね。
    ちょっと乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、老夫婦や地域の皆さんがした選択、そしてその結果が正解かどうかなんて、正直どうでもいいとさえ思えてしまった自分がいます。
    それは作中の登場人物の皆が、その事実を受け入れ、最終的に納得しているから。
    社会的にとか倫理的にとか、そんなレベルの話ではないものが通るこの世界観は本当の意味での優しさと愛なんだと思います。

    この世できっと、一番苦しむであろう死に方を選んだ老夫婦は、それがせめてもの贖罪だと決意したのでしょう。

    • 2
  8. 評価:5.000 5.0

    未完の中毒遺作

    大変失礼ですが、内容そのものはめっちゃアホなラブコメ漫画です。アホ過ぎます。
    ただ、絵もストーリーも特別に秀でた才能のある作家さんではないのですが、不思議と読ませる力のある方です。

    連載当時、私は主人公達より若く、高校生の恋愛漫画を見ながら憧れたりもしていたものですが、この作品はすべてが斜め上で色々と突き抜けていました。
    言い方が悪くて申し訳ないけど、とにかくいらないエピソードや下らないやりとりが多くて、しんどい漫画だなと思っていたのに、何故か必ず見ていました。
    何故なのか疑問でしたが、改めて作品に触れてみて感じたのは、中毒性。
    琴子は本当にアホでハラハラもイライラもするけど、ずっとしぶとくとことん一途だし、時々すごく健気で可愛い。
    入江くんは腹立つばっかりで、主人公も読者も焦らしに焦らして、忘れた頃に唐突に胸キュンさせてくる。
    時々の可愛さと胸キュン。
    たぶんその頻度やバランスがとてつもなく絶妙で、文字通り中毒になっていたのではないかと思います。
    それが計算なのか天然なのかはわからないけれど、どちらにしろそれは、作家さんの恐ろしい才能ではないでしょうか。

    たくさんの方が、入江くんは元祖ツンデレだとレビューされています。
    まぁ、私の中の元祖は別にいますが、入江くんがそう言われるのは当然で、後に続く数々のツンデレヒーロー達はやはりどこかツメが甘く、入江くんの徹底した焦らしとツンデレぶりには到底敵わないと思うからです。

    最終回になってしまったその回の最後で、作家さんの急逝を目にした瞬間のショックは今でも忘れられません。
    入江くんと琴子をめっちゃ盛り上げといて逝ってしまうなんて、最期まで焦らし切りましたね、本当に。
    こんなに中毒性があって気になってしまう漫画、夢中にさせられた漫画を、これから先も読めるかどうか…と思うくらいには、私に根差している漫画です。

    • 2
  9. 評価:2.000 2.0

    雰囲気だけでは

    お話の設定にめちゃくちゃツッコミどころがあり過ぎて、入り込めませんよーというのが一番の感想ですw
    おそらくですが、作家さんは描きたいシチュエーション、描きたいセリフにばかり気をとられていて、お話の基礎は二の次にされてるんじゃないでしょうか。
    雰囲気だけで恋愛はできないのと同じ様に雰囲気だけでは恋愛漫画も読み進められません。

    • 1
  10. 評価:4.000 4.0

    来年も舞台化

    永遠を彷徨う吸血のバンパネラという一族の、二百年もの物語りが描かれている、実に幻想的で美しい作品です。
    こんなに洗練された漫画が、約50年も前に存在していたのはすごいと思います。

    一昨年、宝塚歌劇団で舞台化され、明日海りおさん演じるエドガーが本当に美しくて魅了され、原作に興味を持ちました。
    明日海さんは去年、宝塚を退団され芸能界入りされましたが、来年またエドガー役で舞台に立つ様です。

    この作品は、雰囲気はファンタジーの世界観そのものなのに、登場人物の存在感は妙にリアルで、その対比とバランスがすごいところです。
    序盤はテンポが独特で掴みづらく、多少の入り込みにくさがありました。
    舞台のポーの一族で、ストーリーの概要をわかっていたので大丈夫でしたが、そうでなければ早々に挫折して読めなかったかもしれません。
    それでも、バンパネラの放つオーラや不穏さ、エドガーとアラン、メリーベルのもの哀しさには惹き込まれました。
    バンパネラは、この作家さんが吸血ものの洋書を読まれた際に(おそらく)バンパイアのスペルを読み誤って生まれた言葉だそうですが、何だかいい響きです。

    豆知識ですが、作家さんの「望都」というお名前は本名だそうです。
    生まれながらにもうお洒落。
    ご両親にセンスがあると、やはりセンスのある方になるものですね。
    言葉のチョイス、絵柄、色々なものが日本人離れしているなぁと思います。
    お若い頃から、様々な文学をこよなく愛されてるらしいので、エドガー・アラン・ポーにちなんだ名付けも納得です。

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