5.0
やさしいせかい
序盤は読後癒されていたのですが、だんだん引っかかるようになってしまって。
「シャロンは生きていて意思があり、乳児のような扱いを要する生き物である」という緑川の主張を尊重して接している会社の人々。
私もこう振る舞いたいなと思ったのですが、実際現実でこういう主張をする人がマイノリティでなくたくさんいて、皆が当たり前に許されていたら世界は回らないんじゃないかという気持ちになってきて、それが引っかかる。
じゃあどこまでだったら許されて、どこからは排除されるの?ルールから外れる人には冷たく接して然るべきなの?そんな社会、大抵の人が生きづらい。だからこそこういう問題提起が長年され続けているんだよね。という気持ちと。
フォローする人、迷惑を被る人がいるなら、その人への思いやりも当然にあるのが真にやさしい世界なのだと思います。神経質では優しくなれないし、鈍感でもなれない。でもそんな特性の人もいる。難しいですね。
ADHDの人が増えているといいます。増えているというか、自覚する人が増えているということなのかもしれません。だらしがないどころか真面目で神経質なのに遅刻癖がある人、忘れ物やスケジューリングミスが頻発する人。日本での人生はとても辛く自己肯定感などズタボロなケースも多いだろうと思います。
特性のみならず性格も育ちも様々ですが、やっぱり、人に優しい世であれと願ってしまいます。
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ゴリラと一緒