蛇喰夢子「出血を覚悟しなければ人はだませませんよ♡」
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蛇喰夢子「出血を覚悟しなければ人はだませませんよ♡」
黒崎様は色んな意味で帝愛グループには似つかわしくない人柄だけど、ことブラフの才能だけはある意味で兵藤会長すら凌いでいるとも言えますね。
だからこそカイジの間隙を喜び、大槻班長の隙がどういうものなのかすぐに嗅ぎ分ける事が出来たのかなと思う。
逆境という地獄を1割の直感と9割の論理で潜り抜けてきたカイジの思考は、具体的に表すと考え尽くすことで相手の行動を把握しなおかつ制限している事を悟られないようにする理と私は思っている。
広光をカイジは泣きながら平手打ちするけど、あくまでもキレたわけじゃなくて石田さんの倅だからこそ叩いたっていう描写がやるせない気持ちになる。
そして三好や前田達と同様に助ける未来からみてみれば、叱咤も含め父親としてしてやりたかった事を成したんだと感じますね。
もし堕天録でも彼が登場していたらと思う時も多々あるけど、恐らく社長の口車には乗らないだろうから和也編以降が別のストーリーになっていた予感もするためあれで良かったのかもしれません。
石田さんが最期まで闘い抜いたからこそ、手痛く負けた時こそ胸を張る生き様を選んだり聖母に例えられたりする事になったんだろうな。
そんな義理堅い生き方になったから、後に石田さんの倅を助ける選択が出来たんだろうね。
後に読者へ語られるけど石田さんはエスポワールで生き残ってからここまでの間に自分の倅に対して、逆境に強くて絶望的な状況下でも諦めないとカイジの事を褒めていたのだから駄目なんかじゃなく本当に上等な人なんだと思う。
人間には二種いるという考えに当てはめるならば、浦部はダメ以下の以下と評してもいい奴みたいですね。
奮い立つ事が出来る人なんてそうはいないけど、利己的に損得を考える輩もいれば身命を賭して利他的に慮る人もいる。
それに加えて負けたとしても地獄の苦しみを受ける際に自力でやり遂げる方すらいる状況も考えたら、手厳しい私見ですが死人や廃人にならなかっただけマシとすら思えてしまいますね。
停電のイカサマとやらが気になったので調べに来たら、まさかの無料公開分がそれだったのでびっくりしました。
私としてはポイントを消費せずに確認が出来たので良かったけど、福本先生って昔から思い切りの良い漫画家さんだったのですね。
露伴先生の見聞録がこの短編集であり、相変わらずわがままでエゴイストな彼だからこそこの懺悔室における罪の「告白」も全てがつまびらかになったのだと感じます。
これから先はネタバレですが、自堕落なせいで浮×者になった男が自分の死に関与した青年を祟り殺そうとする話です。
結果論ですが復讐のためとはいえ幸福の絶頂から突き落とす事を目的としてあれほどの財を得させた事を考えると、あの東洋人は死にたくなければ死に物狂いで稼げは少なく見積もってもトウモロコシを使ったおかしやコーンフレークでそれこそ脱落なんてしないでいられたのだと思います。
自身の体たらくを棚に上げて逆恨みをした事で、殺×と裏切りと恨みにまで至ったのが今回のエピソードです。
そして何よりも漫画では難しい叙述トリック(小説ならば文字で誤認させられ、映像ならばリアルタイムで情報を紛れ込ませられる)を描いた事により、冒頭の『実際に この耳で聞いた』という状況にリアリティを持たせていると思います。
これ以上の詳細はまだ読んでいない方々にとっては本当に蛇足な私見なので割愛しますが、荒木先生は前向きな悪人を描くのが本当に上手いと言わざるおえない物語でした。
よもやのマザー・テレサ発言に初見では変な吹き出し方をしたけど、他の例えも思い付かないので納得もした自分がいる事に驚いてしまった。
振り返るとカイジの慈悲深さは石田のおっちゃんが身命を賭して気遣った事により芽吹いたわけだから、基本的には騙されやすいのに勝負の後はペンペン草すら残らない位のギャンブル狂いに成れたのかもしれませんね。
アカギ
044話
暴牌(2)