浦部戦はアニメにはあるのですが実写ではVシネマ版しか映像化されてない(ちなみにニセアカギと思わしき男性はスカパー版にも登場している)ので見比べる種類が一つ少ないのですが、相手の打ち筋だけでなく周囲の捨て牌から流れを読み解く原作の描写と実際の麻雀と同じく長考がほぼ無い速度を合わせて考えるとプロの雀士がどれだけ恐ろしいのか判るのが面白いですね。
-
1
7527位 ?
浦部戦はアニメにはあるのですが実写ではVシネマ版しか映像化されてない(ちなみにニセアカギと思わしき男性はスカパー版にも登場している)ので見比べる種類が一つ少ないのですが、相手の打ち筋だけでなく周囲の捨て牌から流れを読み解く原作の描写と実際の麻雀と同じく長考がほぼ無い速度を合わせて考えるとプロの雀士がどれだけ恐ろしいのか判るのが面白いですね。
浦部戦においてアカギが積み重ねてきた論理は、最低でもこの回から通して見ておかなければ説明されても解らない位に張られた罠となっております。
後に賭け麻雀が遠い昔に思えてしまう令和を舞台とした「闇麻のマミヤ」において、主人公のマミヤとの繋ぎ役としてカタギでありながら裏の麻雀界に片足を突っ込む野崎治の初登場がこの回となっております。
あちらでの治を見てからこちらに戻って来ると、福本先生は絵柄が洗練された上で作風にブレが生じて無い事に驚いてしまいました。
話題は逸れますが先生は博打の世界に女は不用と考えつつも、裸一貫で自分を賭けて男達を蹴散らす高慢な女性もいつか描きたいと語ったらしいです。
なんにしても、もしアカギが真面目に就職しなかったら二人が巡り合わなかったかもしれないと考えると目立たないだけでかなり重要な回だと思いました。
そういえばVシネマ版だと、逆に石川さんが騙されていて組長は安岡さんの企みを看破しているんですよね。
もしかして若頭であっても、五日間も若い衆を私情で動かす事に対して当時の読者からツッコミが出たのかな?
絶一門(ツェーイーメン)は個人的によく使う打ち筋なんだけど、麻雀の流れを読み解ける人がしたらこうまで点棒の変動が激しいんですね。
坊ちゃんは勝ち分の4億8千万を現金で清算するから今夜もう少し付き合ってもらう云々の会話をカイジとしていたのに、村岡から遮られた上にバカと二回も言われてしまいます。
そういう一悶着の後に信頼があるなら話は早いと鉄火場にやっと誘うわけですが、和也編の導入から予想するに墓地は勝負前だから寄ったのであってあの時点では二人で楽しく食事しながら提案するつもりだったのかしらね。
後の和也編から戻って来るとここで戦慄しているのは、村岡とカイジさんだけじゃなくて坊ちゃんも含まれているのかもしれないという気になります。
それにしても屈強な人達を招集せずしかも社長との勝敗すら待たずに自力でさらっちゃおうとする様な人だったら、開司はどうやって現状を打破するつもりだったんだろう。
まあカズヤに対して父親と同じく公平であると信頼していたわけで、そういう事にはならないのだと分かっていたからこそやりこめる事にしたのだから考えるだけ無駄ですね。
新ドラまででドラ12という怪物じみた手を作り、とうとう待ちの一筒がアカギから切られた際には思わずロンを八回も連呼する鷲巣。
であったのにも関わらず、よもやの児戯に等しい手で頭ハネされてしまいました。
ここの安岡さんはアニメだとしてやったりという表情していて、わざわざ鉄火場に乗り込む侠気があるというのが分かりやすくなっております。
話しを戻して、自身の怯えにより生き残りたい欲求が鼻を鈍らせてしまうという結果となってしまいました。
一回戦で600ccの血液を取り除いた状態からがアカギのエンジンがかかった様なものとはいえ、そういう状況がわからない側としてはどうしても右往左往してしまいますね。
安岡さんは平山に対して「虎の尾をわざわざ踏む事はない……」と進言したというのに、そんなアカギよりも怪物じみた理解されぬ者を狩るという荒唐無稽な事を選びました。
虎の子を見つけたくば虎の巣に入るしかないというのは事実だとしても、人の血をすする鷲巣に対しては現実性の欠けた選択と言えます。
しかもただ資産の5億(現在の50億)円を奪うだけじゃなく、自らコンビ打ちのために鉄火場へ参戦します。
読者としては丁半博打の賭場に駆けつけるきっかけとなったので助かりましたが、抜け目のない不良刑事にしては人情味のある立ち振る舞いをされたお陰で私事としてはある種の不穏さに良い意味でゾクゾクしてしまいます。
アカギ
089話
岐路(2)