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今で言うメンタリズムを闘牌で駆使しているのがアカギですが、それだけではなく才能と実力をみそめた幸運すらも組み込める精神が常人離れしているのが判る回となっております。
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今で言うメンタリズムを闘牌で駆使しているのがアカギですが、それだけではなく才能と実力をみそめた幸運すらも組み込める精神が常人離れしているのが判る回となっております。
あくまでもゲーム上で再現された腕前だけど格としてはニセアカギ(それにしても、ゆめのすけプロジェクト版が発売された頃は本名が発覚してるんだからそちら表記にすれば良いのに)は四で浦部は市川さんと同じ五で設定されているんですよね。
単なる麻雀の腕前だけじゃなく本編で三味線をして来た事も含めてのCOMと思われるため、それこそ競技としての枠から抜け出せていないカタギからしてみれば屁理屈を捏ねていると感じられるやり口です。
話しを戻して、それにより冷静さを失わせるという巧妙な手口なため昭和のヤクザと令和の一般人のジェネレーションギャップを楽しむための回と言えるかも知れません。
ゆめのすけプロジェクト版で実際にこのイカサマをする市川さんと対局が出来るんだけど、胃が痛くなる位に負け続けたお陰でどれだけ恐ろしいのかが身に沁みてわかりました。
盲人とは思えない程の素早さで牌をすげ替えるのも、一度のそれで見破るアカギも凄いとしか思えませんでした。
このトリックがどういった手順だったのかという詳細は原作からVシネマ版にアニメでも長らく不明だったのですが、実はスカパー版だと手元の動きを見せてくれるんですよね。
あちらのアカギは右手の人差し指に擦り傷があり(所々でその怪我が、視聴者の印象に残るような映し方もされている)その上で牌をどう紛れ込ませ戻したかを描写しており、臨場感も含めて衝撃さが増していました。
話しを戻して八木さん達が三人で大掛かりなイカサマをしてきたのに対し、本当にストレートなやり口で罠の中へと飛び込ませる鮮やかな手口に惚れ惚れとするしかないですね。
竜崎さんはスカパー版においてとある脅迫をされたり、四暗刻大三元西単騎待ちのイカサマを見逃す事にした際の警告でアカギの右手を掴んだりするんですよね。
その回だけ見ると単なる追加にしか思えないのですが、この後に待ち構えている展開への布石として描写されているため二重に衝撃的となるのが凄いと思う。
浦部戦はアニメにはあるのですが実写ではVシネマ版しか映像化されてない(ちなみにニセアカギと思わしき男性はスカパー版にも登場している)ので見比べる種類が一つ少ないのですが、相手の打ち筋だけでなく周囲の捨て牌から流れを読み解く原作の描写と実際の麻雀と同じく長考がほぼ無い速度を合わせて考えるとプロの雀士がどれだけ恐ろしいのか判るのが面白いですね。
浦部戦においてアカギが積み重ねてきた論理は、最低でもこの回から通して見ておかなければ説明されても解らない位に張られた罠となっております。
後に賭け麻雀が遠い昔に思えてしまう令和を舞台とした「闇麻のマミヤ」において、主人公のマミヤとの繋ぎ役としてカタギでありながら裏の麻雀界に片足を突っ込む野崎治の初登場がこの回となっております。
あちらでの治を見てからこちらに戻って来ると、福本先生は絵柄が洗練された上で作風にブレが生じて無い事に驚いてしまいました。
話題は逸れますが先生は博打の世界に女は不用と考えつつも、裸一貫で自分を賭けて男達を蹴散らす高慢な女性もいつか描きたいと語ったらしいです。
なんにしても、もしアカギが真面目に就職しなかったら二人が巡り合わなかったかもしれないと考えると目立たないだけでかなり重要な回だと思いました。
そういえばVシネマ版だと、逆に石川さんが騙されていて組長は安岡さんの企みを看破しているんですよね。
もしかして若頭であっても、五日間も若い衆を私情で動かす事に対して当時の読者からツッコミが出たのかな?
絶一門(ツェーイーメン)は個人的によく使う打ち筋なんだけど、麻雀の流れを読み解ける人がしたらこうまで点棒の変動が激しいんですね。
アカギ
095話
風雷(2)