5.0
種族を超えた愛。
私たち、同じ種族間にも憎しみや差別があるように、「異種族」との間にも、「それ」があった。
しかも、それは「同種族間」よりも激しいものだった。
そのことを読んでいて、改めて感じた。自分たちが「理解の無い宇宙人」とコンタクトしているようなものですね。
その恐怖は計り知れません。そんな立場で、異種族を心から愛することなんて、出来るんでしょうか?
主人公の「人間の少女」と魔王〈人間の血が混じっている〉は、まっとうしようとしてますが。
人は、「苦しみの淵」というか「この世の果て」のような冷たい世界を知ってしまうと、それ以上の恐怖を知らないので、
少しぐらいの「恐怖」には動じなくなります。主人公にはその種の「強さ」を感じます。
現実世界に置き換えてみると、人生において苦難を経験した人であれば、恐怖に脅かされることがありません。
世の中には、詐欺とか脅迫、などの「まがいもの」の恐怖が蔓延していますが、そうしたものに屈する必要がないのです。
そうした大事なことを教えてくれる作品です。
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贄姫と獣の王