3.0
ホラーとしては○、ミステリーとしては×
作画のヘタウマ感も手伝って、ホラーとしては独特の不気味さがあった。特に、画面の中の黒の存在感がとても効果的で、ドキッとさせられる画もたくさんあった。
最初はその世界観だけでも面白く読めるのだけど、話が進んでくるとおや?と思う。
この作者さんは前振りがとても上手くて、謎の答えがどんどん気になって読み進めてしまうのだが、いざ秘密の暴露の段になると、拍子抜けするくらい単純でがっくりきてしまう。
壮大な前振りのあとのオチが、いちいちショボい。
散々謎を盛り上げておいて、実は嫉妬だったんだ!愛していたんだ!のような展開は、火サスのきんたろうあめ展開と同じ。
読んでいる間、何度ガッカリしたか分からない。
和製純文学の雰囲気を踏襲した愛憎劇、という独特な世界観は面白かったので、ミステリーのハリボテ感がものすごくもったいなく思えた。
余計なお世話かもしれないけれど、謎解きの部分だけを考えるブレーンがついたら、すごい作品になるかもしれないと思う。それくらい、漫画としての話の持って行き方はは上手いと思った。
それでも、もしかしたら最後には素晴らしいオチが準備されているのかもしれない。
なのでできれば、完結まで追い続けたい。
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兄だったモノ