5.0
続くものだけが宝物ではない
学生を終えてだいぶ時間の経った人間だが、ふと気づくことがあった。
ずっと続く友情だけが、宝物ではないということに。
自分を作っているものは、ヒモのように継続的な形のものではなく、思い出や経験の無数の粒の集合体だ。
今はもう、どこで何をやっているか分からない同級生の方が多いけれど、だからといって一緒に過ごした時間が無意味に、要らないものになる訳では決してない。
むしろそのなんだか恥ずかしいくらい綺麗な記憶は、薄暗い自分の内側を照らしてくれる宝物の一粒であり、今の自分の「良くあろうとする部分」を陰ながら支えてくれている。
まったく疎遠になっても、その小さな宝物を含んだまま生きているのは間違いないのだ。
だからこの物語の結末は、無情と受け取る人もいるかもしれないが、私はとても腑に落ちた。
根本的にあらゆる意味で違う2人が、スレスレまで近付いて、確かに何かを共有した、、、あの映画のシーンは、奇跡に満ちたワンシーンだったと思う。
シュールすぎる絵面なのに、かつ美しすぎて鳥肌立った、、、私の漫画史上10本の指に入る名場面だった。
結末から振り返ると一層あのシーンが意味を持つ仕掛けに、唸ったし、心打たれた。
思い出すと胸がキュっと締め付けられるくらい、眩しい喜びに満ちた時間。分かり合う努力をやめてしまった苦み、友人が去っていく寂しさ。
読者の期待に満ちた眼差しを見事に裏切って、美化することなく描き切った作者さんの姿勢に、ただただ脱帽。
少女漫画ファンだけでなく、少年・青年漫画や小説の好きな読者層にもお勧めしたい、味わい深い作品,
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佐々田は友達