5.0
キレイ…色んな意味で
単純に絵のキレイさに毎回目を奪われます。とくにアナトールの風景と水。滴がとても美しく描かれています。
陰影も写実的で、光が当たっている部分や発光している部分は本当に綺羅綺羅しく幻想的でさえあります。
そして登場人物も魅力的です。
マクシミリアンって通常は男性の名前なんじゃない?…ってのは置いといて、彼女の心の動きが的確に描写されます。生育歴に由来する自己肯定感の低さゆえに、夫リフタンの愛情で少しずつ前を向きながらも何かにつけて自信を失ってしまう心の揺れがとても繊細に示されていると思います。
リフタンの一途さは神聖さすら感じさせます。マクシミリアンに対する無限の愛、まさに「魔巨」の如くに湧き出してくるようです。
さらに使用人たちも根っこの部分ではマクシミリアンを受け入れ支える気持ちを持っています。
なぜ結婚後3年も領地に来なかったのか…という不満を持ちつつも、マクシミリアンの弱さを極力好意的に見つめようとする彼ら・彼女らの心性もキレイだと感じます。
ルークがマナを注入して芽吹いたオークの樹が物語にどんな奥行きを与えてくれるのでしょうか…
一応このお話は大まかな結末まで知ってはいますが、コミックが(小ネタも挟みつつ)どう描いていくのか、とても楽しみです。
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オークの樹の下