5.0
これこそ原作も読んで!
なろうであるんだけど未完結。
でもきちんと更新されてるからワクワクして待てるのよ。どこまでも読者の期待を裏切らないわ。
これほど絵とストーリーがマッチして素晴らしい作品にはなかなか出会えない。序盤から手抜きせず、澱みのないストーリー展開。元婚約者のあり得ない所業に対する隙のない対処。ザマァでは終わらない彼女の真の強さを垣間見ることができる。
母は既になく、魔道具師としての師匠でもある父も突如亡くなってしまう。恵まれた家庭環境ではなさそうに見えて、亡き父親からプレゼントされていた中身を知るにつれて涙が止まらなくなる。
ストーリーが深まるにつれて豪華になっていく布陣に、同じ船に乗り合う仲間たちがまた心強い。
誰かによって支えられたばかりではなく、自らの機転によって切り開かれていく魔道具師としての確かな力。驕りもなく、欲もないからか彼女の周りに人が惹きつけられていく。
そして何より惹きつけて離さないのが、ヒーローのヴォルフとの甘酸っぱい、いつまで経っても両片思いを自覚しないふたり。彼のために強くなっていき彼を取り巻く仲間たちをも幸せに平凡に生き抜くために魔道具師ダリヤは奮闘し続けていくのも強い。
ヴォルフと次第に仲良くなっていくふたりは、友達でいようと約束したことが、両片思いに拗らせている。周りの誰が見ても両思いなのに、言葉に出せずにいるのを気付き、段々周りの外堀が埋まり始めていくのがわかるストーリー展開。
ヴォルフの家族も兄弟も周囲ももはやダリヤを他の家に嫁がせる気も手放すつもりは毛頭ない。
彼女が魔道具師として様々な功績を上げたことで、ダリヤはついに陞爵。平民だったダリヤでは公爵家のヴォルフとは釣り合いが取れないため、このままでは婚姻することが叶わない現実があったのにも関わらず、子爵となった今、障壁は何もなくなった。ヴォルフはだいぶ前からダリヤしか見えていない。ようやくヴォルフへの気持ちを自覚したダリヤとの関係が、原作でもまだもどかしい。
でも、このままじれったいふたりも見ていたい。
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魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~