5.0
元気をもらいつつ、勉強にもなった作品
玲琳は、殺されかけた上、自分を殺そうとした犯人と中身が入れ替わってしまう。死罪になりかけたものの、それはなんとか免れたけど、あり得ないようなボロ小屋で暮らさなければならなくなる。今まで豪華な宮殿でたくさんの召し使いに仕えられて育ってきたのに、私たちでさえ無理なようなボロ小屋で、召し使いはたった1人で、そのただ1人の召し使いは自分を死ぬ程嫌っているという状況。絶望して死んでしまってもおかしくないくらいの状況だと思うのに、主人公玲琳はワクワクして大喜びで、生きている!これ以上無いポジティブさに感動し、本当に見習いたいと思いました!!
玲琳は一見、ただ運良く恵まれた境遇に生まれた人だと玲琳を殺そうとした慧月は(それに読者の私たちも)思っていたわけだけど、実はその何もかもは、血の滲むような努力の結果だった。結局は、現在のその人のありようは、その宿る魂とか、日々の心がけや過ごし方などで全く違ってくるものなのだということを実感しました。単に外見の見た目だけで決まるものではないのですね。
また、最初は自分を嫌って妬んで殺そうとした慧月までも自分に惚れさせて友達になってしまう玲琳の人間的魅力や懐の深さや人たらしさも、勉強になりました。
ポジティブさで元気をもらいつつ、色々考えさせられてとても学ぶことが多くあった作品でもあります。
同じ作者の他の作品も読んでみたいと思います。
-
0
ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~