雌だけど女じゃないさんの投稿一覧

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  1. 評価:3.000 3.0

    "新撰組異聞PEACE MAKER"から

    タイトルに紹介した前作と、できたら併せて読んで頂きたい作品である。
    というより、個人的には、そちらも併せて読まなければ、この作品は完成しないと思う。
    主人公の人となりも、前作の方から読まなければ、あまりハッキリしないのかも知れない。そういった観点から、本来自分が感じている評価より少し星の数を減らすことになった。

    絵柄は、漫画のみならずイラストとしても映える、線のハッキリしたスタイリッシュなものである。
    だが、そういう絵柄にありがちな、絵面の美しさを求めた結果キャラクターの表情が棒立ちになる、などといったこともなく、ギャグっぽい表情からシリアスなシーンの表情に至るまで、とても迫力ある描かれ方をしていると感じる。
    新撰組が好きな人、一度は読んでみてはどうだろうか?

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  2. 評価:4.000 4.0

    実写映像化希望作品

    個人的に、とても実写化されて欲しい作品である。

    金田一蓮十郎氏の作品には、"ハレのちグゥ"の時代から全般的に、根底に
    「家族とはなんなのか」
    「恋愛とはなんなのか」
    といった主題があると思っている。
    この作品についてもそこは同様で、中でも特にそういったテーマがわかりやすく表面化している方の作品に感じる。
    そして、この作品には
    「父親になることとは」
    「母親になることとは」
    「親であることとは」
    という、性別により期待される家庭での役割の違いやなんやらも描かれていて、性別の悩みにとても深く関わった人生を送ってきた自分にはとても共感しやすい部分も多い。

    もちろん、金田一蓮十郎氏の作品特有のテンポの良いギャグシーンもキレッキレで、そこも期待していいと思われる。

    • 0
  3. 評価:3.000 3.0

    超人漫画

    次元が違いすぎて、あまり内容が頭に入ってこないところが個人的には多い。物理法則を無視した技の数々。良くも悪くも、ジャンプに限らず少年漫画作品にはありがちなのがその部分だろう。この作品も、御多分に漏れず、そういった部分を引き継いでいる。
    ただ、主人公とその友人たちには憎めない可愛気に満ち満ちた奴らが多く、主人公に至ってはいい子過ぎてこちらの毒気が抜かれてしまうこと請け合いだ。ただ、そこまでいい子だと、どこか神や仏のような手の届かなさを感じてしまい、完全には共感しにくいといった欠点はあるかも知れない。それでも、温かみのあるキャラクターなので、捻くれ者でもない限りは嫌な気持ちにはならないだろう。
    もし捻くれ者だったとしても、御安心あれ。いい子過ぎるいい奴を見ていると居心地悪くなる(もっというと虫酸が走る)ようなタイプの登場人物も、作中には数多く登場する。かれらのバックグラウンドも必見なので、主人公サイドが気に入らないならそういうタイプのキャラクターを推しに据えればいいだろう。

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  4. 評価:4.000 4.0

    言わずと知れたおバカの天才

    "おバカ"というのは人となりや頭脳の能力のことではなく行為のことなのだと腑に落ちる。
    主人公のしんのすけ君というキャラクターは、ある意味で、大人ではないからこそ到達できる発想や行動の権化ともいえる。彼の行動に周りの大人たちは翻弄され、大人たる自分の有り様に、ときに疑問を抱き、ときにそれに囚われた自分に気付き、ときに大人であることを強制的にやめさせられるようにしてキレたり、結果的に一緒におバカをやることになったりする。
    そういうものの見方をすれば、割と哲学的な作品なのかも知れない。
    ちなみに、子育て中の人が思わず共感してしまうシーンも、絶対にあるはずだ。

    • 0
  5. 評価:4.000 4.0

    テンポ小気味良く、面白い。

    これは、個人的にはとても気になっていた作品で、コンビニに単行本が並んでいるのをまとめて買ってしまおうか悩んで、金欠を理由にやめたものである。

    主人公の少女は、ある意味で非常にマッドでマニアなヲタクで、作品タイトルで察することができる通り、推しは薬やその効力を有するあらゆるものである。
    それなので、世間一般とは幾ばくか感覚がずれており、その世間一般の有り様をどこか冷めた目で見ている。我が道をひたすら邁進するタイプの、特に女性たちからは、とても共感しやすいタイプの主人公なのではないだろうか?
    また、彼女の口から語られる、現代日本人からすれば意外なものに潜む意外な効力は、とても面白い知識でもある。
    テンポ良く楽しめる作品ではないかと思う。

    • 0
  6. 評価:4.000 4.0

    初めの方は少し読みにくいかも?

    知識量とひとコマのサイズが初めの方はあまり良くなく、字が小さくて細かいところもあるかも知れない。
    だが、書かれている知識は面白いものだし、読んでいくに連れて文字の量の加減も上達していくので読みやすくなっていくはずだ。

    国をそれぞれ擬人化したものなのだが、なんせ作者が腐男子を公言していただけあって、ところどころ男の子同士の仲が非常に良かったりするかも知れないが、腐った意図で描かれていたのは主に作者のホームページ(現在閉鎖中らしい…)に掲載されていた分であって、この本に描かれている分はせいぜい男の子も女の子もムキムキもナヨナヨもおっさんも嬢ちゃんも男の娘に至るまで全員がなんらかの形で可愛いというだけに留まっており、かなり一般向けになっているはずである。
    なので、キャラクターが総じて可愛いというのが苦手でもないのなら、歴史好きにも御国柄ジョーク好きにも腐った感性の持ち主たちにも、個人的には一度は読んでみて欲しい作品である。

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  7. 評価:4.000 4.0

    出オチ感満載ヴィジュアル

    主人公の渚くんが見詰める昔懐かしい宇宙人(タコ型火星人)の想像図的な見た目のクラス担任が、キャラデザイン的に思い切りが良すぎて、そこで盛大に傷付け噴いた記憶がある。そんな第一印象ながらも、連載開始から最終回までリアルタイムで読んだ、この作品。
    相変わらず、松井先生ならではのものの描き方である。きっとこの世の他の誰にも似たものは創り出せないであろう、そんな世界観は、"ネウロ"のときからそれなりの時間を経てから出発したこの作品でも、堂々健在である。
    主人公たちが中学生であることを綺麗さっぱり忘れてしまえるような内容なのが少し気にはなるが、"ネウロ"が好きな人ならそれなりに楽しんで読めるはずだし、若者へとなりゆく子供たちが我が道を歩み始めるに当たりどう自分自身と向き合っていくか、という学園モノに不可欠ななにかもそこにはあるので("ネウロ"の主人公の弥子のときからそこはそうかも知れないが)、楽しめる要素は多分に含まれているはずだ。

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  8. 評価:4.000 4.0

    作者の子供心炸裂中

    言わずと知れた有名作品である。

    個人的には、第1話(ジャンプ本誌規格で)を読んで世界観を理解してから、それでなんとかイケそうならゾロ特集、ナミ特集、ウソップ特集、サンジ特集、ローグタウン編とリヴァースマウンテン編を挟んで、チョッパー特集、今度はアラバスタ編を挟んで、ロビン特集、フランキー特集、そして、ブルック特集を読み、そこまでいってまだついていけていたら、東の海(イーストブルー)編、"偉大なる航路(グランドライン)"前半戦編、後半戦編のそれぞれの中から気になるエピソードをピックアップして読むのが一番無駄がなく楽しめると思う。
    尚、上記を馬鹿正直に守ると重複して読むことになるエピソードも少なくないので、案内役を誰か1人は用意しておこう。

    ただし、この時点で胸焼けがしてしまう人がいるかも知れない。そういう人は、誰か底なし沼に引きずr……もとい、案内役になれる人にお薦めのエピソードを訊き、そのエピソードのざっくりとした登場人物の説明(主要面子のみで、各1~2文以内と定めておいた方が面食らわずに済むだろう)を教えてもらった後、読んでみるのがいいかも知れない。
    このやり方で自分が案内役になるなら、パンクハザード編とドレスローザ編を推したい。そして、その登場人物の主人公一味連中を除いた主要数人について、2文までで収まらない人物紹介をありったけの夢を掻き集め海賊王の名台詞付で熱に浮かされながら披露したい。

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  9. 評価:4.000 4.0

    言わずと知れた有名作

    これこそが、かの上野樹里を有名にし、その役風から抜け出すのにかなりの苦労を強いた、あのドラマ・映画シリーズの原作である。
    主人公が"のだめ"こと野田恵なのかと思いきや、これは、彼女を客観的に見詰めるある若き秀才型音楽学生の、のだめを通して自身を見詰めてゆく人間成長物語である。
    あまりにも考え方や身の振り方の癖の強い人物たちがこれほどまでに雁首揃えておりながら、
    「これは見た目を変えただけで前に登場した○○と同じキャラクターなのでは?」
    と思わせることなくその数のキャラクターたちを各々に活き活きと描いていて、秀逸である。
    惜しむらくは、少女漫画や女性向漫画にありがちな、髪型や服装が同じになったら見分けられる自信がなくなるくらいに似通った顔がごろごろいる絵柄、というところだろうか。

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  10. 評価:5.000 5.0

    歴史考察が素晴らしい。

    男女逆転という大胆な発想で物語が進んでいくものの、史実として記録に残っている情報を上手く組み合わせており、違和感なく物語が織り成されている。
    また、本作中の歴史として、男と女の数がおおよそ半々だった時期と女の方が多くなっていた時期とがあるのだが、その推移による登場人物たちの思惑や策略、苦労などが細やかに描かれていて、そういった部分でもとても読み応えがある。

    また、個人的には、この作品は、類稀な、嘗てないタイプのフェミニズム漫画といえると感じる。
    社会的役割が男女で逆転したときにどのように社会が成り立つようになるのか、社会的役割とは別に男と女それぞれに変わらない部分がなんなのかなどを、作者なりに深く考察した結果なのかも知れない。

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