れれれこしゃんしゃんさんの投稿一覧

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81 - 90件目/全115件
  1. 評価:5.000 5.0

    他者を慈しむ心

    様々な種類の獣たちが人格を持ち、人間は見下され迫害を受けながら暮らしている世界が描かれ、そこで出会う獣の王と一人の人間の少女の物語。主人公の二人は辛い過去を持ちながらも支えあい信じ合って共に生きる覚悟を持つが、幾多の試練が二人を襲う。あくまでも人間を排除しようとする各種の獣たちから妃候補の少女は痛めつけられるが、自前の前向きさと慈愛をもち、獣の王様の助けを支えにたくましく成長しながら、獣たちの心に訴えかける。彼女のひたむきさと慈しむ心が光る素敵な作品です。

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  2. 評価:5.000 5.0

    幸あれと願う

    生まれながらの性別、容姿、環境に翻弄されてしまうのが主人公の人生であったが、出会った凜太郎により自分自身を見つめ、彼を信じ戦うことを選んだマリアにエールを送りたい。絶えず人の目を気にし、目立たぬように生きてきた母と違う人生を歩むのは相当の覚悟を持たなければならい。でも彼女はもう振り向かない。前だけを向いて、いずまいを正して、彼を信じる道を選んだ。明治という時代にこれほどの覚悟をもって生き抜いた彼女のひたむきさに幸あれと願いたい。

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  3. 評価:5.000 5.0

    静かに見守りたい

    健常者でも障碍者でも二人の人間が絆を結び関係を築いていく時、私は静かに見守りたい。からかったり、ちょっかいを出したり、批判や非難をして邪魔をしたりする人がいるのも現実ですが、当事者の思いが最優先されて然るべきだと思います。

    ただこの物語のように健常者と障害者の場合は彼ら自身と彼らを取り巻く人間関係の難しさがいつも付きまといます。当事者間の意思の疎通が最も大切ですが、そこにたどり着くまで幾多の試練を乗り越えなければなりません。そして相手を尊重する気持ちと自分の本当にしたいことのバランスを見極める判断が必要です。

    そして、二人がこれから何が起きても後悔しない腹をくくった覚悟を持てたら、私は静かに応援したいと思います。お節介をせず、余計なことは言わず、決して出しゃばらず、静かに応援し幸あれを祈りたいです。

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  4. 評価:5.000 5.0

    凛とした椿が好き

    椿が笑わないのは過去のトラウマからで、無理に笑わなくてもいいと思う。椿に笑顔はないけど、彼女は凛としていてブレがないから好感が持てる。彼女は誠実で自分らしく生きることを心掛け、嫌みなところが全く無い。浮かれたり、いい気になったりせず、きちんと自分の足で立ち自分の力で生きている。理不尽なことや意地悪をされても、恨んだり卑屈になったりしない心根の優しい女性。

    物語の展開上、斗真と湊の三角関係のように見えるが、椿の選択はなんとなく想像がつく。母との誤解を解き関係を修復して椿に自然な笑顔が戻り、納得いく決断ができることを祈りたい。

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  5. 評価:5.000 5.0

    結んだ絆を信じる覚悟

    傷物、石女、行かず後家という女性蔑視の風潮が残る大正の時代、背中の痣ゆえ,何度も破談を味わい傷ついている千春にとって、父の借金の為の婚姻は屈辱だったかもしれない。瀬田の印象は決して良いものではなかったが、軽薄そうなその裏にある優しさと寛容さに千春が心をひらいていく過程がいじらしい。

    瀬田の器の大きさに気づき、苦労も覚悟で共に生きようとする千春の覚悟が清々しい。かけがいのない人に愛されているという自信と自覚を得た時の千春は美しい。これから何が起こっても瀬田に寄り添い生きていこうとする千春の覚悟の本気度が尊い。出会いは好ましいものではなかったが、唯一無二の人に出会え、結んだ絆を信じぬく覚悟が潔い。

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  6. 評価:5.000 5.0

    衝撃の問題作

    一般市民が知らない所で起こっているかもしれない緊迫した世界情勢が克明に描かれていて驚きを隠せません。総理をはじめ自衛隊員の的確かつ迅速な判断は目を見張るものがあります。想定外のアクシデントに遭遇した時の訓練を自衛隊と総理官邸はしているのですね。人命救助から派生する諸々の問題は複雑で厳しい側面があることがわかります。

    昨今の地震の頻度は高まるばかりですが、活断層が縦横無尽に走る資源の乏しい小さな島国で本州が二つに割れるようなことがあったら、北海道はロシアが入り込み、関東から北はアメリカが、そして中国四国は中国に占領状態になる可能性も否めないと思うと空恐ろしい限りです。

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  7. 評価:5.000 5.0

    毒母というよりも......

    日本の風土に潜む負の側面の悲劇を見ているような気がしてなりません。協調性を重んじた慣習の中で、はっきりNOと言えない社会性が生み出す狂気のようなものを感じます。あまり好きでない人やむしろ嫌いな人とも何とか上手くやっていこうとするあまり、無理な我慢を繰り返し、その積み重ねの重さに耐え切れなくなり、思いもかけない悲劇へと突き進んでしまう恐怖が赤裸々に描かれています。

    計画性は無くとも、咄嗟の判断で突き落としたにしても、その背後には鬱積された苛立ちがあったはずです。ましてやまだ幼い息子まで巻き込んだことは取り返しのつかない事にもかかわらず、穏やかなたたずまいに戦慄が走ります。これはフィクションではあるけれど、似ていることは少なからず存在するかもしれないと考えると恐ろしいかぎりです。

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  8. 評価:5.000 5.0

    ありのままを受け入れる事の難しさ

    障害を持つ子供の親の苦労や社会の無理解は当事者でなければわからない点が多いと思います。理解を試みようとする時、ただ感情移入をすれば良いというものではありません。他者の立場で考え行動する事は口で言うほど簡単ではないから。

    一生懸命頑張っている親御さんに対して、「偉いね、頑張って」と無意識に言葉にすることは励ましではないと思います。現実を知らない者が迂闊に言葉にする危うさを感じます。

    では現実を知らない者はどうしたらいいのか?私はまず冷静にゆっくり見つめてみます。そして静かに見守ります。そしてもし何か尋ねられたら、自分のできることをします。できないことは正直にできないと伝えます。ありのままの誰かを受け止めることは、自身もありのままでいたいと思います。

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  9. 評価:5.000 5.0

    ビアンカの成長物語

    不幸な未来の予知夢から18歳に戻り人生をやり直すビアンカは二度目の人生でやっと精神年齢が実年齢に届いた感じです。未熟で視野が狭くわがままな少女が大人の女性に変わっていく過程が丁寧に描かれています。それを我慢強く見守る夫である伯爵の寛容さと味方を少しづつ増やしていくビアンカの関係性がキラリを光ります。

    夫への愛情を確認し、自国の産業の育成にも貢献していく姿は女性として、妻として、人間として逞しく、しなやかなしたたかさをもった大人の女性になりました。心を開き視野を広げ、夫を信じ子供を慈しみ、何事にも動じない戦える女性になりました。よかったねビアンカと言ってあげたい気持ちです。

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  10. 評価:5.000 5.0

    心の機微を丁寧に描いた作品

    中学卒業前に両親を事故で失う姪の朝に対して槙生のストレートな正直さが潔い。いきなり保護者になってしまった彼女の戸惑いと恐れが交錯する様が丁寧に描かれて、朝の純朴さと槙生の繊細さが溶け合っていく過程の描写が素晴らしい。

    日常のさり気ない描写の中に優しさと安らぎが感じられ、この二人を取り巻く人たちの暖かさが伝わってくる。槙生の元カレの存在がとても良い。まだまだ誤解や勘違いは起こるかもしれないが、この二人が分かり合えることを切に願う。いずれ槙生と朝の母との過去の関係が明らかになるだろう。これからの展開が楽しみで目が離せない作品。

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