心配もあるけど、ユーリはニヴァルに嫉妬したんだろう。
多分、ブリジットが契約したのが「微精霊」でなければ、ユーリと婚約していた筈なんだよな。
それで手焼きの場面に同席する羽目になったユーリは、ブリジットの事を気に掛けつつも、会いに行く口実もなく、何年かたつうちに王族と婚約したと風の噂に聞き、ひとまずは安心しただろう。
ところが、学院に通う前後から彼女の妙な評判が聞こえ始め、何がどうなっているんだ、と思いつつ、下手に近付いて負の記憶を刺激するのもな、と見守る姿勢でいたら、とうとう婚約破棄に至ってしまった。
学院で初めて会話した頃の、ユーリのツンツンした態度を思い出すにつけ、どんな気持ちでいたのやら、と想像を巡らせてしまう。
図書館で会ったのは偶然だし、勝負云々はブリジットが勝手に言い出した事だけど、ユーリから見ると、今までずっと気になっていたアレコレを聞き出す好機でもあったわけで、ブリジットが本当はどういう人間なのか、探りを入れていた節がある。「風は笑う」についてとうとうと語るのを、その場では止めず、後で文句を言っていたのも、反応を見るためではなかったろうか。
ブリジットが考えているように、確かに最初は同情だったかもしれないが、高価なお守りをくれて、抱擁して、手をつないで、心の痛みに寄り添って、リサにはガチギレ。同情だけで済む態度ではなかろう。遠慮せず、ここは素直に! 恋心云々は後回しでも良いから、王子がおかしいんです、ぐらいは言っても良いと思うぞ。
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悪役令嬢と悪役令息が、出逢って恋に落ちたなら ~名無しの精霊と契約して追い出された令嬢は、今日も令息と競い合っているようです~【分冊版】(コミック)
045話
22話(2)