いつだったか、パトリシアの体から滲み出てきた瘴気。水晶の使い過ぎによる弊害かと思ったけど、もしかして、パトリシアの精神状態を反映しているのだろうか。負の念が水晶に吸い込まれて、水晶から力を引き出す度に、その負の念が増幅して戻ってくる、そんな悪循環だったりするのだろうか。
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いつだったか、パトリシアの体から滲み出てきた瘴気。水晶の使い過ぎによる弊害かと思ったけど、もしかして、パトリシアの精神状態を反映しているのだろうか。負の念が水晶に吸い込まれて、水晶から力を引き出す度に、その負の念が増幅して戻ってくる、そんな悪循環だったりするのだろうか。
パトリシアがフィロメラを貶めないと気が済まないのは、結局、自分が偽物だという引け目があるからだよな。フィロメラの精神力が上がって、聖女の力に目覚められたら困るというのもあるし。けど、引き立て役がいないと輝けないというなら、そんな輝きはハリボテでしかないわけで、自分で言っていて虚しくないのかな、と思ってしまう。そして、そんなパトリシアの勘違いを助長させたアンドリューの罪深さよ。
バーティアには、少し立ち止まって考えて欲しい。
1つ。ゲームの結末は、プレイヤー(ヒロイン)の選択次第で変わり得るものであると。
1つ。悪役令嬢としてザマァされる前提でいるけど、今のところ、いじめられているのはあなた自身である。対立して当然、とか言っている場合ではない。
1つ。男に相手にされない腹いせに、その婚約者にありもしない悪行を被せて被害者振る。バーティアの知るヒロインって、そんな子だっけ? つか、そんな性悪女が、大好きな殿下の運命の相手で良いの?
冷静に考えて欲しい。
あんなピアスを作っておいて、他の女とくっついてください、と言っても説得力がないよ、バーティア。
そもそも小説の中のフィロメラの悪行は、この世界ではパトリシアの自作自演だったのだから、魔物の件も押して知るべし、なのだけど、その可能性には気づかないのね。
馬鹿と鋏は使いよう。何の力もない(ように見えた)姉が、それでも本家の娘で、未来の王妃なのが面白くなかったのだろうけど、それはそれとしてうまく利用する手もあっただろうに、結局墓穴を掘っているじゃないか。
それにしても、パトリシアはあれだけ周りからちやほやされて、望めば叶わない事なんてない筈なのに、ストレス発散方法が姉を虐げる事以外にないなんて、悲し過ぎではなかろうか。王宮がブラック企業だからかと思ったけど、この子の場合は、お茶会を開いたりする余裕はあるわけで。そこそこ自由な時間は許されている筈なのにーー折角目の上のたんこぶがいなくなったのに、これでは本末転倒だろう。
父親が長女を嫌っているからといって、どうして使用人が身の回りの世話をしない事になるのか、この手の話はたまにわけが分からない。皆、単に仕事をサボる口実が欲しいだけではないのか、と思ってしまう。だって、全員が全員て、そんな馬鹿な。てっきり継母がいるのかと思ったら、違うみたいだし。
蓋を開けてみれば、「初恋の君だと思っていたら勘違いだった、ごめん」なわけで、王子に振り回されたアメリも若干気の毒ではある。回想を見る限り、「子供の頃、王宮の夜の庭園で会ったのを覚えているかい?」と直に確認したわけではなさそうだし。
それにしても、アメリの耳はどうなっているのか。王子と婚約したいのは彼女の願望であって、正式に認められたなんて誰も言っていないだろうに、部屋から解放された=許された=婚約成立=公爵令嬢(どころの話ではなかった)よりも私は格上よ、って、いやいや。カティアは外国の皇族と自己紹介もなしに会話しているし、おにいさまにエスコートされているのだから、社交界では初めて見る顔=社交の場にもろくに出られないような弱小貴族、の筈がないのに、耳だけでなく目もおかしい。視野が狭過ぎでは?
遂に、王子がガチで口説きに来た。さあ、スカーレットはどう返す?
ファーストネームだけだと人違いの危険性もあるから、姓名を名乗るのは正しい行為だろうに、馬鹿呼ばわりというのは、つまり意味を分かっていないんだな。
カイルは最初から態度が悪いから、スカーレットの何が嫌いとか、そういう問題ではないんだろうな。それだったら、さっさと婚約破棄すればよいわけだから。けど、昼飯用意しろとか、婚約者ってそういうポジションじゃないだろ。
ニセモノ聖女は運命をくつがえす
057話
第57話