5.0
じっくり読みたい(あらすじネタバレ)
冒険者になりたいロアは、パーティーに所属し万能職(という名の雑用係兼見習い)を7年続けていたが、パーティーが勇者パーティーへ昇格したとたん、無能を理由に追放されてしまう。だが実は、ロアは錬金術師としての高度な能力があり、その能力に一目置いていた大商会の長コラルドのもとに身を寄せて、錬金術の素材を入手するために他国出身のパーティーを護衛に雇って魔獣が巣食う森へと向かう。
一方、ロアを追放した勇者パーティーも討伐依頼を受けて同じ森に入っていた。リーダーは従魔としてグリフォンと魔狼の双子を有していたが、実はこれらの魔獣はロアを慕っていっしょにいたいがために従魔のふりをして同行していただけで、途中でロアが追放されたことを知って勇者パーティーを見捨ててロアたちに合流する。これによって勇者パーティーは壊滅し、表面上主を失った従魔たちはロアの従魔として認められることになる。
ロアが住む国では、冒険者になるには万能職(という雑用係)としてパーティーに所属し、メンバーのひとりに付いてその職種(剣士とか魔術師とか)の訓練を受けることで力をつけて一人前になる。ロアは剣士を目指していてその能力がないわけではなかったが、メンバーが訓練をしてくれなかったために一人前になれないままパーティーを追放され、無能者とされて他のパーティーに入ることも難しく、また一人前の冒険者でなければ依頼を受けられないために単独で能力を証明することもできず、八方塞がりとなった。そこで、他国出身の複雑な背景がありげな冒険者の仲間や、グリフォンや魔狼の従魔たちの力を借りて、イレギュラーな方法で冒険者を目指すことになる。
現在9巻まで出版され、ロアは冒険者として認めてもらうことと引き換えに、魔獣やアンデッドがひしめく城塞迷宮の調査の依頼を受けた旅の途中です。調査団長が伝説の姫騎士にあこがれる伯爵令嬢で、なんだか面倒なことになっていますw
ロアと従魔たちとのそもそもの馴れ初めが今のところ描かれていないのが残念で、いつかそのあたりを読めればな~と、個人的に切に願っています。
設定や、多くの登場人物の背景やストーリーに厚みがある分、物語の進行はやや遅めかと思いますが、面白さも増し増しです。人物や従魔の表情や感情が豊かで引きこまれます。じっくり読みたい派の方に特にお勧めしたいです。
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追い出された万能職に新しい人生が始まりました