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最期の時まで
終末期医療でただ最期の時を待つことになっても、その最期の時まで、いかに生きるか、何を思うか、そんなことを考えさせられました。またそれを見守り、サポートする立場になったら、想像力のある、思いやりのある自分でいたいとも、思いました。
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終末期医療でただ最期の時を待つことになっても、その最期の時まで、いかに生きるか、何を思うか、そんなことを考えさせられました。またそれを見守り、サポートする立場になったら、想像力のある、思いやりのある自分でいたいとも、思いました。
とても素敵な物語です。中世ヨーロッパ風だけど、魔物が棲む架空の世界が舞台で、一見、ロマンチックな愛の物語の様ですが、話が進むにつれて、とてもリアルな、昔から現代まで、洋の東西を問わず恋人同士や夫婦、愛し合うパートナーとの間に起こる悩みや諍いが描かれていて、その深さに引き込まれます。そして何より、どんなに分かり合えなくて苦しんでも、比翼連理の様に引き裂くことのできないふたりのつながりに心動かされて、読み続けてしまいます。リフタンが少年時代に初めてマクシーを見た時、孤独な彼女の寂しさを自分のことの様に錯覚してしまった時、そして子供だったマクシーがリフタンに花輪をプレゼントした時から、ふたりはこの世でふたりきりのふたり。「愛とは孤独なふたりが見つめ合い信じ合い互いの心に迎えあうこと」そんな詩を思い出しました。
良識とか常識に囚われない二人が身を寄せ合っている姿が好きです。大吉は大人だからそれなりに考えてりんちゃんに人並みの暮らし方をさせてあげないとと思うのでしょうが、周りの良識ある大人(?)達よりもちゃんとりんちゃんを見てりんちゃんに応えてるよね。そしてりんちゃんも頭で理解出来なくても、自分にとって大切なことをちゃんとわかって、成長している様に見えます。周りのガチャガチャに掻き回されないで、りんどうの花の様に、凛として、親子とか男とか女とか、囚われないで、お互いを見つめ合って、成長しながら、愛とかそういう言葉では言い表せない大切なものを育んでいって欲しい。
この様な清掃をして下さるお仕事のことは聞いたことがあったけど、こうして具体的に描いて下さると、私たち人間も、普段食べているお肉やお魚と同じ、腐敗する肉塊だという実感が湧きます。虫は気持ち悪いけど、あれも自然界では死体を片付けてくれるお掃除屋さんなんですよね。脂や体液も広い大地なら受け止めていろんな微生物が食べてくれるけど、私たちは、清潔で快適だと思っている建物の中にいるから風化して自然に還ることができない…そんなこと考えさせられました。チベットか何処かの鳥葬…いいな。とか。
高度成長期時代、私も子供だった。うちはサラリーマンの家庭だったので、こんな感じとは違いましたが、周りにはこんな雰囲気ザラだったような…物凄いなと感じつつも、妙にリアルでなつかしさすら感じます。現代の様な都会的な距離感とは違う他人との関わり方とか、良くも悪くもね。お父さんのオナラとウ○コにはなんでっ??と驚きますが、今に比べたらずっと不潔でも、皆んな元気に暮らしてました!夜のご近所の夫婦喧嘩とか、大人のすったもんだとか、何にもわからない幼少の時から見てました。それでもだいたい皆んな逞しく、ちゃんと育って、大人になりました。身勝手に思えるお父さんにも妙な説得力あり。繊細な弟さんのことはちょっと心配。
42話まで一気に読みました。憤ったり、悲しくなったり、ワクワクしたりハラハラしたり、いろんな展開が重すぎず、ぶっ飛び過ぎず、そして主人公ふたりの心は澄んでいて、水面下で確実に愛が育っている…日々の疲れを癒してくれる、ちょうど良さがとっても気に入りました。理人の元恋人がついに登場して、これからが本題に入るのでしょうか?不穏な展開になるのかな?
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お別れホスピタル