5.0
人を呪わば穴二つ
皆から愛される玲琳をうらやみ妬み、入れ替わる慧月。入れ替わりさえすれば幸せになれるはずだったのに…
愛されていたのは「外見」のみではないのだから、思う通りにならないのは当然だが、余りの病弱さに苦しむ。
病に対する精神的な抵抗力もないため、愛される幸せを享受するどころではない。
一方、慧月の中に入れられた玲琳は健康な体を活かして、今までできなかった事をこれでもかと楽しむ。
中身:玲琳(外側:慧月)はやりたいようにやっているだけだが、その善良で裏の無い行動が周りを変えていく。
入れ替わりで自分を乗っ取られたら、中身:玲琳(外側:慧月)が「計画的に」中身:慧月(外側:玲琳)を
追い詰めていくストーリーが、ありがちかと思いますが、この主人公の行動に計画性は無い。
慧月は慧月自身に復讐されていくようなもの。
ある意味、慧月が玲琳に入れ替わった時点で、慧月には「詰み」で、
ふたつ掘った穴のうち、ひとつに入っていたんですよね。
その一方で玲琳は、穴のふちに両足架けてにっこり笑ってる感じでしょうか。
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ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~