赤い雲さんの投稿一覧

投稿
153
いいね獲得
552
評価5 73% 111
評価4 8% 13
評価3 14% 22
評価2 5% 7
評価1 0% 0
1 - 10件目/全98件
  1. 評価:5.000 5.0

    いい意味で期待を裏切られました

    ネタバレ レビューを表示する

    無表情で何を考えてるのか全く読み取れない星先生。回を増すごとにその人物像が少しずつ明らかになっていって、それと同時に、この漫画にハマっていきました。実際の人付き合いと一緒で、第一印象が良くなくても、会うたびにちょっとずつ相手の意外な側面やイイ所がわかってくると、どんどんその人への好感度が加点されていく、あの感覚。特に、初登場シーンから「なんかこの人めっちゃ胡散臭い」と思った小林先生、もはや「この人大好き!」までになりました笑。あと中村先生の描き方とか…生徒の話だけ聞けば教師で毎日酒臭くて無気力とか、間違いなくそいつクズなんですけどね。セツコとの最後のシーンで「あー、この人も色々あるんだろうな」とつい思わせられちゃったのが…。あと、後々出てくる、古森家のお兄さんとか。眼鏡屋さんでの天才的ボキャブラリー、この人に一度接客されたい笑 会話のテンポとセンスも、私の感覚にうまくハマりました。ただ、漫画の「エターナルなんちゃら」はよくわからないというか、ハマらなかったかな…「エターナル」の続編?の回は前衛的というか、正直に言って面白くなかったですね。
    多くのレビューの方も書いてらっしゃいますが、「動物のお医者さん」の佐々木倫子さんの影響を強く感じる作風です。クワガタボーイに選ばれた時の星くんをとりまく同級生のセリフで、「動物の…」のモモンガの回(樹木っほい柄のシャツを着てきてしまったために酷い目に会う二階堂)を思い出しました。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    永遠を生きるモノ

    ネタバレ レビューを表示する

    18世紀末ビクトリア王朝時代、全寮制英国パブリックスクールが舞台。まばゆいほど美しい少年たちと、ブラムストーカーの血みどろの名作ゴシックホラーを絡めてしまうとは!真夜中の子供、墓場をふわふわと舞う「ルーシー」はまさに夢幻の使者。血に飢えた人ならざる悪魔の正体は、まさかの植物…?想像の斜め上をいく「ドラキュラ」新解釈の展開に、目が離せない。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    安定の面白さ

    ネタバレ レビューを表示する

    ド派手な連載陣の中にあると地味に感じるが、あの熾烈なアンケート至上主義の週刊少年ジャンプで5年間の毎週連載をかちとって堂々32巻完結、というのは傑作でなければなしえないことである。ジャンプの作家さんの中では大変珍しいと思うのだが、絵に強烈な個性がない。ファッションや世界観もとにかく普通。逆に言えば変なクセもアクもない。
    夏祭りかなにかで、ヒメコの下駄の鼻緒が切れて、すぐさまヒメコはごく自然にそれをボッスンに渡して、ボッスンが普通ーに受け取ってそれを直す、というシーンがあった。2人の間には、ほとんど会話がない。この光景は、ボッスンに恋している女の子の目線から描かれる。そのあまりにも自然な2人のやりとりに、女の子は自分の恋を爽やかに断念する、という展開だったのだが、この回には感動した。思春期の甘酸っぺえドキドキやイチャイチャもいいけれど、こういうふとした神描写はより長く深く、心に刺さる。

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    耽美の極致

    ネタバレ レビューを表示する

    残酷描写かなり多め。まるで中世ヨーロッパの宗教画を見ているようです。(ルーブル美術館にある中世〜ルネサンス期の豪華絢爛な宗教画コレクションには、斬首されたり矢を射られたりしている殉教者や、聖書なら「嬰児虐●」の一節など、目を覆いたくなるような血生臭い絵が山ほどあります)血、糞尿、唾液、人体の熱いエキスが迸るような生々しい画でありながら、繊細で華奢で優美なロココの時代を描くのに、これ以上の漫画家はいないと言い切れる美麗な描写。ベルばら世代には嬉しいことこの上ない、そして尚且つ思い切り旧来のイメージを裏切る衝撃のキャラクター設定!えっ、まさかあのデュ・バリー夫人とシャルルが?!えっ、まさかあのジャンヌとマリーが?!オリジナルキャラ感の強いマリーについては賛否両論ありますが、どう考えても幼児への折檻の仕方がやばすぎるドS婆さんを「ババア!」と罵倒した瞬間から、私はマリーの虜になりました。(史実に即してないというご意見もご尤もですが、それを言っちゃったらオスカル様だって架空の人物ですからね笑)でも本作品の主人公はシャルルのはずなのに、マリーに完全に食われちゃった感は否めません。
    美しいだけでなく、貧困層のモブの絵がまた異常にリアルなところも凄い漫画家さんです。貴族のまとう美しい袖口のレースと同じくらいの精密さとリアリティをもって、パリの最下層の男たちの歯の抜けた汚い口元を描く、その視座が素晴らしい。
    あと、シャルルが路地を馬車で回ってコンドームを夜の女性たちに配ってるところとか、とても良いシーンだったと思います。そこに幼い息子(イノセントだったシャルルの息子もまたイノセント。象徴的)を同行して回ってるところが良いんだな。

    • 3
  5. 評価:5.000 5.0

    臨場感半端ない

    ネタバレ レビューを表示する

    初めてこの手の漫画を読んだけど、面白い。恐怖やパニックの描き方が素晴らしい。極限状況に追い詰められた人々のやりとりは醜いが、時々、ほんのわずかな希望や信頼や友情が垣間見える時がある。地獄だからこそ、ほんのわずかな光が闇にを照らす。
    しかし、水も食物も装備もなく何時間もきつい登山で疲労しきっている上に、ナタや弓を持った猿がいつ襲ってくるかわからないという、異常な状況。これは実際にその場にいたら、おそらくとんでもなく現実感がないと感じるだろう。山頂から街の灯りが見えて、主人公が「あそこで今のんきにビール飲んでる奴もいるのになー」って思うモノローグが凄いリアル。街の灯り、遠いんだけど自分からちゃんと見える距離ってのが、リアル。見えるだけなんだよね。あの街へ向かって自分たちの状況を伝える手段がないし、今すぐ戻りたいのに絶対にそれが出来ない。臨場感がある凄い漫画。

    • 3
  6. 評価:5.000 5.0

    モノローグがいい。

    言葉の散りばめ方がお見事。グルメ漫画は星の数ほどあれど、その最高峰のひとつ。食べ物とお酒の絵がすごくリアルで美味しそう、それだけで十分。私は下戸ですが、この漫画は大好き。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    エクセレント

    ネタバレ レビューを表示する

    ドラマの番宣をなんとなく見たことはあるけど、少女漫画原作とは思わなかった。なんの気なしに読み始めたが、これは素晴らしい。骨組みがしっかりしている。「ウソをついたかどうかが声の違いでわかる」という特殊能力に対して、探偵がどんな内容の嘘なら見分けられるのか、紙に書いた嘘は見分けられるのか、といったいくつかの実験をするところがいい。そして自分のみならず、本人にその才能を把握させる。ギフテッドとしての異能崇拝や神格化をせず、冷静にその特殊性を分析して利用する。合理性とロジカルに徹し、洞察力に秀でた彼はさすが探偵だという説得力がある。そしてギフトを持つがために苦労してきただろうと推察できる優しい目線、もっというとヒューマニズム、人間への敬意がそこにある。謎解きは毎回割とシンプル。性善説を感じる心温まる解決のラスト。素晴らしい能力を持つ探偵なのに仕事の依頼が全然なくてド貧乏、ってのが良い。探偵自ら主人公との問答でそのことを解説したのだが、これがすごく腑に落ちた。確かに、私もウン十年生きてるが探偵に依頼をしようと思ったことなど一度もない。
    また、この作品はギャグを「お金がない」に集中させているのもよい。昨日の新聞を拾って嬉しそうにしているのがとても可愛い。
    絵にクセがなく、すっきりしていて大変に見やすい。ギャグシーンの絵も割と好み。猫、そして女性の日本髪を描くのが素晴らしく上手い。猫と言うのは、実は身近な動物の中で一番描くのが難しい。この作家さんの猫はどの角度から見た猫もデッサンがちゃんとしていて、猫の丸みやふわふわ感がリアル、思わず触りたくなってしまう見事な猫の絵だ。また、時代劇漫画でも江戸時代の女性の髷がメチャクチャなバランスになっている作画が多いのだが、この作品に登場する女性の日本髪は完璧。
    久しぶりにすべて「安心して」読める作品です。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    淡々としているところが新しい

    ネタバレ レビューを表示する

    無料分まで読了。盤石と思われた伊勢一族の権勢が、たったひとつの誤算で揺らぎ始めるオープニングのところまで。
    少年漫画、そして戦国時代モノにつきものの熱が感じられない漫画は初めて読んだ。天下を取りたいとか無双になりたいとか親兄弟殺されたとか一族滅ぼされた復讐とか平和な世の中にしたいとかのド派手な動機が今後も出てこないような予感がする。男性の闘争本能というよりは、「この時代を文字通り生き延びるために敵対勢力と渡り合うのがごく当然のことだった」「努力した結果、戦国武将として名前が残った」という感じで、そこに歴史漫画の大上段に構えた大袈裟な美学や正義のようなものがないところがとても良いと思う。そしてそのおかげで、まんがとしてすごく地味。ケレン味がない。しかし、そもそも殺傷能力のある巨大な刃物を腰に差して男たちが普通に町を歩いている時代、というのはもうそれだけで現代から見たら物騒で過激な時代なんだけどね。
    今のところ、主人公は武力も智謀知略も人間性も特に飛び抜けているようには見えないが、主人公のお守り役のあの一言が、キーワードだと思う。彼の最大の武器と魅力はそれなのだろう。
    ロマンとかリアルとかウィンウィンという言葉が台詞に出てくるので、最初は面食らった。ゆうきまさみ氏のようなトリックスターだからやれてしまう、確信犯的オーパーツである。しかし、時代考証ガン無視のド派手な傾き者ファッションや、なんだかよくわかんねえ格好のくノ一が出てくる歴史漫画よりはよっぽどいい。
    ところで、解説漫画に出てくる蜷川新右衛門て、寺社奉行のあの人?三代将軍足利義満に仕えてた「しんえもんさん」?ってことは、この先一休さんが出てくるんだろうか。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    相性

    この人の絵はとにかくクセが強い。輪郭線が太くて今どきの絵ではないのに、ハマるとやめられない。ギャグって、絵と同じかそれ以上に相性だから、ハマる人はハマるけどハマらない人は微動もしない。私は面白く読めました。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    甘酸っぱいやねー

    主人公の友達の恋愛話が出てくる頃に、少し中だるみする。それでも皆いい子ばかりなので、爽やかな読後感が魅力。

    • 0

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています